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更科功, 残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか

分子古生物学者による啓蒙書。生物学者には常識なのかもしれないが、門外漢にはなるほどと思わせる小ネタが多数。 あまり動かない生物は円形に近かったり左右非対称だったりするが、活発に動き回る動物はたいてい左右対称の "左右相称動物"。ただし動くときに関係ない体内はあまり左右対称になっていない生殖年齢を過ぎてもう子供を作らない個体に何が起きようが、自然淘汰は一切関知しない脳が大きい生物は空腹に弱い。ヒトの脳は体重の2%しかないが、エネルギーの20-25%も使う長い動物の歴史の中で、飛...
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池波正太郎(原作), 山田芳裕(漫画), 仕掛暮らし

へうげものの流れで時代モノ。迫力ある見開きこそないものの山田芳裕らしさがそこかしこからにじみ出ているのが良い。
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スクウェア・エニックス(編集), 堀井雄二(原著), ドラゴンクエスト30thアニバーサリー ドラゴンクエスト名言集 しんでしまうとは なにごとだ!

ファミコン時代から最新作まで幅広くドラクエの名言を抑えた企画本。内容はやや薄めで、堀井雄二もいくつかの項目にヒトコトを入れる程度。
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吉本浩二, 定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ (1)

一部ではディストピア漫画などと呼ばれているようだが、読んでみるとその意味がよく分かる。著者自身はおそらくこづかい制の悲哀をユーモアたっぷりに描いている以上の意図はないのだろうが、定額で増える未来が見えないこづかい、即物的な快楽に偏った消費、異常にポジティブな登場人物たち、といった要素が重なるとやはりディストピアという言葉が浮かんでしまう。
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ジョシュア・ガンズ(著), 松田和也(訳), 子育ての経済学

経済学者の視点から見た子育て本。 子育ては子供との交渉ごとであり、子供は手強い取引相手とみなすとすべてがしっくりと来る。報酬に関して明確かつ客観的なルールを決めるのはどの親でも一度は試みることだろうが、子供たちはそんなルールに対して容易にルールのすきを突いてくる。トイレの成功にチョコレートの報酬を設定すれば、子供は一度のトイレで全部出しきらずに何度もチョコレートをせしめる戦略を覚えるのだ。
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高橋名人, 高橋名人のゲーム35年史

高橋名人の自伝とゲーム史。名人は1959年生まれで社会人になりたての頃にマイコンが出始めた世代のため、ちょうど自伝とゲーム史が重なっている。 やはり面白いのは名人の裏話の数々。特に人気絶頂期のキャラバンはかなりギリギリの中で実現していたことがよく分かる。また、PCエンジンの誕生とともに「ファミコンの高橋名人」が一旦姿を消し、「ハドソンの高橋名人」としての活動が増えていく様子も、高橋名人のビジネスマン姿が垣間見えて興味深い。
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小島拓(著), 弁護士法人畑中鐵丸法律事務所(法律監修), 融資地獄 「かぼちゃの馬車事件」に学ぶ不動産投資ローンの罠と救済策

かぼちゃの馬車事件を題材として、サラリーマン大家の実態や融資地獄に陥った場合の対処法などを解説している。 根底にあるのは、本来は先祖代々の地主や資産家が行ってきた不動産投資に、知識も資産も銀行との取引実績もないサラリーマンが参入するという歪み。これには、日本銀行の方針による金融緩和を受けて生まれたサラリーマン大家向けの融資が大きく関係している。こうして、多くのサラリーマン大家が採算の取れない物件を掴まされ、融資地獄に陥っている。 後半の融資地獄に陥った場合の対処法も良い。「借...
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お知らせ, 世界最強麻雀AI Suphxの衝撃

天鳳10段を達成したSuphxの解説書。外部のプレイヤー (第14代四麻天鳳位) による牌譜の解説のみで、開発者の手による解説はなし。 Suphxの打ち筋で特徴的なのは、将来の押し引きを想定した手牌のスリム化。浮き牌の安全度を常に意識した見切りや早めの生牌字牌の処理などは、今後の打ち筋の標準になっていく可能性が高いと感じる。
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田中クミコ, ハラヒロシ, ハヤシアキコ, ヤマダジュンヤ, クイズで学ぶデザイン・レイアウトの基本

クイズ形式で気軽に学べるデザイン入門書。本当の初心者を対象としているためか難易度はかなり低めで気軽に読める。
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川添愛, 白と黒のとびら オートマトンと形式言語をめぐる冒険

おそらく世界初のオートマトン小説。有限オートマトンから始まり、プッシュダウンオートマトン、線形拘束オートマトン、チューリングマシンといった情報工学の理解に欠かせない理論を小説形式で楽しく学べる。 特に序盤は一番の基礎となる有限オートマトンを噛んで含めるように説明してくれるので、初学者にもお勧めできる。中盤以降はやや駆け足な印象があるが、一つ一つの課題を主人公とともにじっくりと解いていけば決して理解できない内容ではない。