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加藤英明, 山崎尚志, 野球人の錯覚

野球統計本。データスタジアムのデータを元に、いわゆる「流れ」論の検証を中心に行っている。リンゼイのモデルは既に盗塁やバントを行ったケースを含んでいるのでそのまま使えない、という指摘は面白いエラーや併殺が流れを変える (次回以降の得失点確率や平均得失点に影響を与える) ということが述べられているが、エラーがあるチームは元々守備が良くない傾向があり、併殺があるチームはたまたま守備が良かったり良い投手が投げている傾向があるというだけの様に思える。そのあたりをコントロールしたデータが...
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木暮太一, マルクスる? 世界一簡単なマルクス経済学の本

その名前の通り、マルクス経済学の入門書。本当に基礎の基礎のところだけだが、噛んで含めるように教えてくれる。
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喜国雅彦, 本棚探偵の冒険

喜国さんの作品はの頃から読んでいたが、古本マニアであることは初めて知った。全編から古本への愛がにじみでている一冊。も読もう。
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杉山隆男, 兵士を追え

陸空に続く新作のテーマは海。それも最高機密の塊である潜水艦。潜水艦の内部はもちろん、それを取り巻く哨戒機への同乗取材まで行われている。このシリーズらしく充分なボリュームで、前作同様に自衛隊員たちの生の声が多く取り上げられているのが興味深い。
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山形浩生, 要するに

山形浩生氏の雑文集。山形道場の連載を中心に、ケーザイのネタが多めなのが嬉しい。"世の中講座" の企業の仕組みなどは、今となっては世間の合意を得ている内容かと思うが、それを2000年前後に読みやすい形で (まさに "要するに" という内容!) 世に出していたのは素晴らしい。
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島田裕巳, 日本の10大新宗教

新書のボリュームで10もの新宗教を取り上げる以上、一つ一つの内容は薄めで、新宗教の成り立ちをざっと眺める程度。とはいえ、多くの新宗教に共通する新宗教の成長に欠かせない要素などは垣間見ることが出来る。この手の本をみると、俗物根性として方々で話題に挙がるカルトすれすれの新宗教を期待してしまうのだけれど、そういった新宗教は落とされているのが残念。
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西尾典文(著), 泉直樹(著), 小関順二(監修), プロ野球スカウティングレポート2008

毎年恒例のスカウティングレポート。フォーマットは完全に昨年度版と同じ。潔いというか、手抜きというか。とはいえ、現状ではデータ山盛り本はこれしかないのでありがたいことには変わりない。
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ケンタロウ, 柳田理科雄, 空想キッチン!

人気アニメの料理を再現しようという企画本。あまり深く考えずに読む分には充分楽しめる。考証担当はあの柳田理科雄氏だし。
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藤和彦, 石油を読む 第2版 地政学的発想を超えて

石油はもはや戦略物資などではなく、国際市場で流動的に取り引きされるコモディティであるという主張。地政学的なリスクよりも、投資マネーの動向による価格変動のリスクの方がはるかに大きいという点は同意できる。現在の国際石油市場の様子、OPECやメジャーの凋落など、この一冊で現在の石油を取り巻く状況がよくわかる。おすすめ。
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高野陽太郎, 鏡の中のミステリー

鏡に映った自分が上下は変わらないのに左右が逆転したように見える、という古典的な謎に答える本。従来述べられてきた仮説 (たとえば人間の体がほぼ左右対称なことに起因するという対称仮説など) がきちんとサーベイされ、それぞれの問題点もよくまとまっている。それらを踏まえて提唱される、筆者独自の多重プロセス理論は見事。人間が無意識のうちに、自身の鏡像と文字の鏡像を全く異なる座標系を用いて処理しているという事実は、指摘されるまでなかなか気づくものではない。