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ベンジャミン・フルフォード, 日本マスコミ「臆病」の構造

日本のマスコミがそれほど立派なものではないというのは、みんな薄々勘付いていることだと思う。どの新聞にも似たような記事ばかりだし、差別問題などタブーとして扱われずにスルーされる話題も多々ある。日本マスコミがなぜそんな現状に陥っているのか、外国人記者という利点を活かして暴露した本。記者クラブなどのよく取り上げられる問題点に加え、新聞に書けない記事が週刊誌や海外の新聞へリークされる構造など、マスコミの背景に切り込んでいるのは非常に興味深い。メディアリテラシーの向上にもつながる一冊。...
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川又三智彦, 二極化ニッポン

最近、かなりの数の破綻本が出版されている。しかし、その多くは、あまりに話が飛躍しすぎていたり、煽るだけ煽って特定の金融商品へ誘導しようとしていたり、ただのトンデモ本だったりと、正直読むに耐えない。そんな中、比較的まともに読めたのが本書。論理の飛躍も少なく (まったくないとは言わない) 、データの裏付けも類似本の中ではかなりまとも。繰り返される官僚批判がちょっと鼻に付くが (これはツカサのウィークリーマンションの立ち上げ時に許認可が得られなかった恨みも含まれていると思う) 、主...
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小倉千加子, 結婚の条件

現在の結婚難、またそれが引き起こす少子化現象について、女性の生の声を中心に語られる。特に女学生の生の声が (収集の段階で大きくバイアスがかかっているにしろ) 多数おさめられているのはおもしろい。エッセイ形式なので、あまり数値的な裏付けは触れられない。実例やインタビュー、雑誌へのツッコミを中心に語られるので、あまり厳密さを期待せずに読み物として楽しむべき本。とはいえ、内容的には実感しているものと近い部分も多々ある。特に本書全体を通じて、表現を変えながら繰り返し語られる、少子化を...
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J. アルバート, J. ベネット, メジャーリーグの数理科学 (上巻・下巻)

野球の記録ヲタクを自認するのならば必ず読むべき本。野球の統計データに関する多くのトピックを扱っており、十分な読み応えがある。特に力説されているのが、観測された確率 (記録に残っている打率や勝率) と、真の確率 (実際にヒットを打つ確率や勝利する確率) の差を明確に区別することの重要性。今までの野球解説はほぼ例外なく観測された結果のみに基づいて議論しているが、実際にはその結果には乱数による揺らぎが大きく影響していると考えるべきであり、試行回数が少ない場合はなおさらである。統計学...
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星新一, 天国からの道 & ふしぎな夢

今まで、単行本から漏れていた作品を集めたを再編して文庫化したもの。当然、文庫初収録の作品ばかり。初期の作品や子供向けの作品などが中心のため最盛期のショートショートを期待してはいけないが、それでも星新一作品がまた読めるのは信者にとってはうれしい。
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溝上憲文, 超・学歴社会

採用にあたって学歴不問と明言する企業も多いわけだが、それがタテマエであることは多くの人が勘付いていることだと思う。そんな現状をとらえ、実際にはまだまだ学歴信仰が根強く残っていることを示した本。具体的にどうあるべきかという提案や、将来学歴の扱いがどう変化していくかについてはほとんど触れていない。あくまでも現在、学歴は一定の地位を保っているという重い事実を示すだけである。大学進学を控えた高校生あたりにぜひ読んでもらいたい本。人事関係者のインタビューはソースもわからずどこまで信頼し...
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松井浩, 打撃の神髄 榎本喜八伝

マリーンズ (当時はオリオンズ) の歴史を追っていくと必ずその名前に当たる大打者、榎本喜八。しかし、私が生まれたときには既に引退していたため、残念ながら生でその打撃を観たことはない。そのため、私の中での榎本喜八のイメージは、沢木耕太郎の "さらば宝石" (これは本人へのインタビューができず周辺取材をまとめたもの) での陰のある雰囲気や、各所から伝え聞く、試合前に座禅を組むといった奇行の印象ばかりが先行していた。本書はその榎本喜八本人へのインタビューに成功し、その野球人生を見事...
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富澤豊, 図解 自分のポジショニングのみつけ方

我々は普段から職場やサークルなどで、無意識に他の人とキャラがかぶらない様に行動しているわけだが、それを理論立てしたものがポジショニングマップ。ただし、例題として用いられているのが、七人の侍、プロ野球、サッカー、ショムニ、太陽に吼えろ、と、ちょっと偏っているのはいかがなものかと。これらの知識がない人へのフォローは一切ないので、そういった人々には例題がまったく理解できないのでは。私はスポーツ関係は非常によく理解できたが、テレビドラマ関係はまったく理解できず読み飛ばすしかなかった。...
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土屋賢二にハマってみる

くだらないといいつつ、つい読んでしまう。でも、読み終わった後、あまり損をした気分にならないのが土屋先生のすごいところ。
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倉田真由美, 山崎元, ダメだ!この会社 わが社も他社も丸裸

共著の体裁になっているが、メインは山崎さんの方。くらたまファンの方には物足りないかもしれない。ダメ会社を身も蓋もなく斬りまくる。実に痛快。就職活動中の学生さんに是非読んでもらいたい。事例は金融業界中心だが、他の業界にも当てはまる処世術やノウハウも盛りだくさん。もちろん、今の職場を見つめ直したい向きにもお勧め。