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ロバート・H・フランク(著), 金森重樹(監訳), 幸せとお金の経済学

幸福学の啓蒙書。 特に、ロバート・フランクの提唱した「地位財」と「非地位財」の違いを重視している。「地位財」は周囲との比較により満足を得るもので、所得や社会的地位、車・家・時計といった物的財が代表的。一方「非地位財」は他人が持っているか否かに関係なくそれ自体に価値を見いだせるもので、健康、安全、自由、愛情などが挙げられる。「非地位財」は希少で、その価値を見極めにくいが、これを選んで投資することで、幸福度を高められる。 これだけを見ると精神論か「地位財」を獲得できない人間の負け...
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橘玲, もっと言ってはいけない

言ってはいけないの続編。 取り上げている話題には曲がりなりにもエビデンスが用意されているが、やや理論が飛躍していたり、アクア説などまだ異論も多い学説に入れ込んでいたりと、首をかしげるところも多い。それでも読み物としては申し分なし。
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佐藤優, いま生きる「資本論」

読む順序が逆になってしまったが、いま生きる階級論の前著。 1930年代の日本資本主義論争まで遡った資本論の読み方を説く。天皇制の打破による日本の資本主義社会化の後に社会主義革命を目指す講座派と、すでに権力の実態を持っている財閥を即座に打破する社会主義革命を志向する労農派。それらの対立が資本論の読み方に強い影響を与えている。 人生を楽にするために資本論を読もうという提案も興味深い。資本主義のからくりを知ることは、資本主義社会の中で自分の置かれた状況を客観視することにつながる。資...
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ハリエット・アン ジェイコブズ(著), 堀越ゆき(訳), ある奴隷少女に起こった出来事

アメリカ合衆国ノースカロライナ州の奴隷少女が半生を綴った自伝。本国でも長年フィクションと思われていたが、近年事実に忠実な自伝であることが明らかとなり、ベストセラーとなった。 高々130年前の話とは信じられない内容が続く。祖母の競売、所有者である白人医師からの性的関係の強要、7年間に渡る屋根裏部屋への潜伏、そして北部への逃亡。確かにフィクションと信じないとやるせなくなる内容だ。 訳文の質はもう少し改善の余地があるように思うが、邦訳版を世に送り出してくれた訳者には感謝しかない。
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ゆうきまさみ, 究極超人あ~る (10)

完結後もスピリッツなどで散発的に描かれていた続編をまとめたもの。9巻からそのまま続けて読んでも違和感がないノリはお見事。 10巻を名乗るのならば、装丁は少年サンデーコミックス版に合わせて欲しかった。ここだけが残念。
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森博嗣, 「やりがいのある仕事」という幻想

森博嗣らしい醒めた仕事論。仕事はあくまでも働いて金を儲ける行為であり、それ以上の意味付けを否定する。好き嫌いがはっきり分かれそうではあるが、著者本人がその思想に基づいて幸福度の高い生活を送っていることは注目に値する。
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川端裕人, PTA再活用論 悩ましき現実を超えて

PTA本では珍しいポジティブなPTA参加録。 PTAの「強制加入問題」に疑問を持つ身でありながらPTAを高く評価していることは特筆に値する。ヒエラルキーのない横並びの組織、ボトムアップ型の構造など、実態はさておき理念としては賛同するのは理解できる。また、社会的な立場を超えて成立する共同体が貴重な機会だというのもよく分かる。それでも、 現状のPTAの 義務・強制・負担の原因となっている「強制加入問題」を解決し自由な入退会を実現した上でPTA上手く活用していこうという論はやはり楽...
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竹内謙礼, 青木寿幸, 猿の部長 マーケティング戦略で世界を征服せよ!

今度のテーマはマーケティング。いつも通り小説部分は突飛なストーリーだが、ポジショニング、SWOT分析/TOWS分析、顧客開発モデルなどのマーケティングの基礎は一通り学べる構成になっているのはお見事。
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佐藤弘幸, 富裕層のバレない脱税 「タックスヘイブン」から「脱税支援業者」まで

著者は国税局資料調査課に所属していたことをこれでもかと強調しており、古巣への強い愛着を感じる。 脱税と租税回避を一緒くたにして語り、その上で明らかに合法と思われる租税回避を悪者扱いというのは理解に苦しむが、これが国税局の内部の人間の本心なのだろうと思う。
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三輪鉄郎, 賢いサラリーマンのリタイア準備術 定年まではこう過ごす!

定年退職時のお金の処理で失敗しないためのtips集。ライフプランの作り方から家計の見直し方法まで一通り学べる。定年退職が見えてきた方が見落としがないかをおさらいするのに適している。