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ダニエル・コーエン(著), 林昌宏(訳), 経済と人類の1万年史から、21世紀世界を考える

帯の宣伝文は "銃・病原菌・鉄" の経済版の様な印象を与えるが、方向性はだいぶ違う。全時代を通じた大きな仮説がやや弱いが、各時代の個別のエピソードは興味深いものが多い。
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業田良家, 自虐の詩 (上) (下)

実は読んでいなかった過去の名作。上巻はワンパターンでやや退屈ですらあるギャグマンガだったのだが、登場人物の過去を深堀りする作品に路線変更してから一気に化けた。
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マイケル・サンデル(著), 鬼澤忍(訳), これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学

少し前のベストセラー本。著者があまりポジションを取っておらず判断を読者任せにしているので読み物としては今ひとつだが、各種の考え方をある程度網羅的に整理する助けにはなる。
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東野圭吾, 変身

ストーリーにはあまり意外性がないが、一人称視点での主人公の心理描写は見事。娯楽小説としては申し分ない。
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中田亨, ヒューマンエラーを防ぐ知恵 ミスはなくなるか

ヒューマンエラーの科学的な定義よりも、実践的な防止活動を中心とした内容。実例が豊富で、即座に活用できそうなものも多い。
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本の雑誌編集部(編), 古本の雑誌 (別冊本の雑誌)

本の雑誌から古本関連の記事を再編集したもの。町田周辺で過ごした時間が長い身としては、高原書店の話が聞けたのが嬉しい。
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ネマタ(著), 福地誠 (編), 勝つための現代麻雀技術論

ネット麻雀界隈で確立されつつある戦術論の現時点での一応のまとめの様な本。読み物としてはあまり面白い本ではないが、戦術書としてはおそらく現時点で最もまともな部類のため、強くなりたい人には良書だろう。ただし、数値的な裏付けがある部分と感覚的な部分が混在しており、かつそれらが文章上であまり書き分けられていない点には注意が必要。
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施川ユウキ, バーナード嬢曰く。

読書をテーマにしたマンガ作品なのだが、読書家ぶりたい浅い読者を中心に持ってきたところが実に秀逸。それでいながら、本当の読書家の気持ちもさり気なく押さえているのもポイント。おすすめ。
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遠藤周作, 十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。

遠藤周作の死後に発見された、手紙の書き方を解説した原稿。いまどきのロジカル・ライティングの教科書などとは全く異なる趣の本だが、「読む人の身になって」という大原則はどんな文書でも変わらない。遠藤周作の文章の基礎を作った「ようなゲーム」の紹介も興味深い。
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クリストファー・マクドゥーガル(著), 近藤隆文(訳), BORN TO RUN 走るために生まれたウルトラランナーVS人類最強の “走る民族”

トレイルランニングをテーマにしたドキュメンタリ。著者自身の体験を基に、メキシコの秘境に住む走る見族、タラウマラ族のランナーたちを取り上げる。合間には、ランニングシューズ研究の最新事情や進化論の観点からのランニングへの知見も挿入される。本書全体を通じて、人間が本来は走ることを楽しむ種であること、人間の足はランニングシューズなしでも長距離を走れるようにできていることというメッセージが繰り返し語られる。走るということをもう一度根本から考えなおすために、多くのランナーに読んで欲しい。