book 安明哲(著), 池田菊敏(訳), 北朝鮮 絶望収容所 脱北者による告発本。いわゆる政治犯ではなく、警備隊員として完全統制区域に務めていた人物の手記であり、より広い情報が含まれている。著者は現在は文筆業ではなく農協勤務とのことなので、無理に刺激的にするインセンティブは少ないものと思われる。とはいえ、他の証言と付き合わせる必要は感じる。 2013-09-14 book
comic 御手洗直子, 31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる タイトル通りのコミックエッセイ。BL出身者らしく、自虐ネタは手慣れたもの。マンガとしてのテンポもよくサクサク読める。 2013-09-09 comic
book 高沢皓司, 宿命 「よど号」亡命者たちの秘密工作 よど号ハイジャック事件の実行犯グループを中心に、関連する対日工作を追ったノンフィクション。主体思想北朝鮮側の思惑を踏まえた推理の数々は、やや独善的な部分が残るものの、なるほどと思わせるものが多い。 2013-09-08 book
book 小牟田哲彦, 鉄道と国家 「我田引鉄」の近現代史 政治の視点から見た鉄道史。鉄道絡みの歴史上のエピソードには興味深いものが多く、単純に読み物として面白い。歴史を辿り、限られた証拠から関係者の思惑を読み解き、と文句なし。ただし最終章の "海外への日本鉄道進出" は唐突に外交に関する私見が始まり、やや蛇足感がある。 2013-09-02 book
book 三橋貴明, マスゴミ崩壊 さらばレガシーメディア 既存マスコミに対する批判本。従来からネット上で頻繁に語られているマスコミ批判やマスコミの凋落の原因をまとめた体裁であまり新味はないが、今まであまりマスコミに関して興味を持たなかった人が一冊目に読むには良い内容。 2013-09-01 book
book 櫻井武, 食欲の科学 ブルーバックスらしい硬派な "食欲" の解説本。脳生理学の歴史の中でどのような実験を通じてレプチンや各種の神経ペプチドの発見に至ったかがストーリー仕立てになっており、実にわかりやすい。なお、本書はあくまでも科学本なので、直接ダイエットの役に立つような知識はほとんどない。 2013-08-28 book
book 三品和広, どうする? 日本企業 日本企業の衰退の原因を6つの視点から探る。売上高の成長を追い求めたために生じた利益率の低下、コンフォーマンス・クオリティを追い求めたために生じたパフォーマンス・クオリティの低下など、ある面での成功が他の成功を奪ってしまう事例は実に刺激的。 2013-08-27 book
comic ヤマザキマリ, イタリア家族 風林火山 モーレツ! イタリア家族の続編。連載が進むに連れて本音がこぼれるような場面が増えてきた。ストレスの捌け口を覗いているようで、これはこれで面白い。 2013-08-26 comic
comic ヤマザキマリ, モーレツ! イタリア家族 テルマエ・ロマエで一山当てたヤマザキマリの初期作品。タイトルからはイタリア文化ネタを期待してしまうが、イタリアというよりは身内ネタが多い。ところどころに面白いネタはあるのだが、マンガとしてこなれていない印象。 2013-08-25 comic
book 成毛眞, 面白い本 特に脈絡なく集められた各ジャンルの100冊の書評集だが、"面白い" という点だけは首尾一貫している。著者が読書を道楽と定義している点が素晴らしい。何かの役に立つような読書ではなく、純粋に読書それ自身を楽しもうという姿勢には共感できる。肝心の書評も、自分が面白いと思うものだけを取り上げていることもあり、熱が感じられる。ジャンルがノンフィクションとサイエンスにやや偏っているのはご愛嬌か。 2013-08-24 book