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石井健一郎, 「情報」を学び直す

シャノンの情報理論の入門書。教科書と言うほど固くはなく、手軽に読める。情報工学を学んだ人にはあまり新しい情報は無いかもしれないが、百人一首 (競技かるた) の詠み札を例に挙げた解説は非常に分かり易く、一読の価値あり。
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野村旗守(編), 男女平等バカ 年間10兆円の血税をたれ流す、“男女共同参画” の怖い話

"男女共同参画はモテない女のヒガミである" と言い切る、フェミニズム批判本。良くも悪くも宝島らしい。批判側の意見しか載っていないため、話半分で。週刊誌的に読む分には面白い。
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瀬川陣市, 新・デジカメ写真術 ベストショットが撮れる47のシーン別アイディア集

写真撮影のtips集だが、一般人がよく写真を撮るシーン別にまとめてあるので使いやすい。デジタル一眼レフを買うほどの写真マニアではないが、手元のコンパクトデジカメだけでもうワンランク上の写真をとりたい、というあたりが主な対象読者か。体系的な知識を学べる本ではないが、手軽に脱・素人を目指す向きには悪くない。
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デヴィッド・L. ユーリン(著), 井上里(訳), それでも、読書をやめない理由

電子書籍普及への端境期である現代の読書論。様々なテクノロジーの割り込みにより読書に集中することが困難な時代に、抵抗の行為としての読書を論じる。読書の重要性や美しさを論じながらも、単なるテクノロジー批判や懐古には陥っていない。テクノロジーとの距離を考えつつ、自分の読書体験を考え直すきっかけが多く含まれている。
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ドゥーガル・ディクソン(著), 今泉吉典(監訳), アフターマン 人類滅亡後の地球を支配する動物世界

人類を含む哺乳類がほぼ絶滅した後のニッチを、他の系統がどのように埋めていくかという思考実験。純粋にSFとして楽しめる。表紙にあるような奇抜な外見の生物はむしろ少数派で、大半はもう少し現生の動物に近い大人し目のデザイン。しかしながら、その生態はいずれも個性的で読ませてくれる。
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鈴木智彦, ヤクザと原発 福島第一潜入記

元々は暴力団関係のルポを専門にしている著者ということもあり、その視点からの原発の利権構造の分析などを期待して読み始めたが、少々肩透かし気味。本書の大半を占めるのが、福島第一原子力発電所へ作業員として潜入した体験記。潜入にあたっては暴力団関係のツテを利用しているものの、その利権構造の全体像への踏み込みは今ひとつ。
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aico(著), 株式会社ディレクターズ(著), 村井純(監修), 小悪魔女子大生のサーバエンジニア日記 インターネットやサーバのしくみが楽しくわかる

タイトルは "サーバエンジニア日記" となっているが、大半はTCP/IPやDNS、電子メールなどの基礎技術の解説。サーバエンジニアにはむしろ計算機の知識のほうが必要な気もするが、そちらは末尾でさらりと触れているだけ。また、サーバエンジニアにここまで細かいネットワークの知識が必要かとも思う。その辺りの対象読者の不明確さを抜きにすると、技術的には意外にもまともな内容。イラストや手書き文字は好みが分かれるところだと思うが、好みに合えば入門書としても薦められる。既に理解されている方も...
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鏑木毅, トレイルランニング

あの鏑木毅によるトレイルランニングの入門書。トレイルランニング初心者向けで、装備やトレーニング、フォームなど、ひと通りがカバーされている。写真も豊富で非常にわかりやすい。体の使い方やトレーニングメニューは、さすが陸上競技出身者といったところ。登山出身者による本とはやはり一味違う。逆に遭難対策や山のマナーに関する記述はかなりあっさり。これからトレイルランニングを始めようという人には自信を持ってお勧めできる。既に本格的に競技に取り組んでいる人には少々物足りないかも知れないが、基本...
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井上純一(著), 矢澤真人(監修), 月とにほんご 中国嫁日本語学校日記

中国嫁日記の番外編。日本語ネタ本としては中途半端だが、相変わらずマンガとしては文句なしに面白い。
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福島文二郎, 9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方

ディズニーランドの良いところだけを書いた精神論本。読者が一番知りたい、なぜディズニーランドではこれが実践できているのに他の多くの企業ではできていないのか、はまったく書かれていない。また、期待していたディズニーの裏話もほとんどなし。