review

book

青木敦子, 調味料を使うのがおもしろくなる本

調味料を網羅的に扱っているわけではなく、著者の好みの調味料だけを取り上げて関連レシピを紹介しているので、常に手元に置いておくようなハンドブックを期待してはいけない。調味料の歴史や栄養の蘊蓄は、どこからか引き写してきたような内容だが、レシピのネタ本や軽い読み物としては及第点。
book

ならやたかし, ケンペーくんの鬼畜天誅記

あのケンペーくんの著者によるエッセイ集。 ケンペーくんを生み出すに至った著者の半生や鬱屈した感情がこれでもかと叩きつけられる。 一般の人にお勧めできる本ではないので、ケンペーくんを理解できる人だけどうぞ。
book

山本美知子, 結城仙丈, 斉藤由美子, アメリカ暮らし すぐに使える常識集 知ってトクする生活情報BOOK

渡米の前後に読んでいたアンチョコ本。 米国は州毎にルールが違ったり時々制度改正されたりしてるので、そのまま鵜呑みにするのは危険だが、それをわきまえて読めば良書。
book

畑村洋太郎, 直観でわかる数学

失敗学で有名な畑村先生の著作。 数学を専門としない工学者目線には共感できる部分が多い。ただし、とりあえず書きやすい所から書いているという感があり、系統だった説明ではないのが残念。
book

ルイス・アンドレ・バロッソ(著), ウルス・ヘルツル(著), 丸山不二夫(監修), 首藤一幸(監修), 浦本直彦(監修), 高嶋優子(訳), 徳弘太郎 (訳), Googleクラウドの核心 巨大データセンターの変貌と運用の経済学

の訳書。原題通りの内容で、いくら売り上げのためとはいえ、表題に "Google" や "クラウド" といった流行り言葉を無理矢理埋め込むのは感心できない。 やや工学系論文のような堅さがあるが、内容はしっかりしている。これからのデータセンター、とくにWSC (Warehouse-Scale Computer) に興味のある人には必読だろう。
book

Josh Leventhal, Jessica MacMurray, Take Me Out to the Ballpark: An Illustrated Tour of Baseball Parks Past and Present

Bordersのセールで$9.99だったので即買い。 米国内の球場紹介ガイドなのだが、写真中心の大型本で、どちらかというと眺めて楽しむタイプ。
book

花里孝幸, ネッシーに学ぶ生態系

以前読んだ本が良かったので、他の著書も読んでみた。 第1章でタイトルにあるとおり、生態学の専門家から見てネッシーの様な巨大生物がネス湖で長期にわたって生き続けられる可能性はあるのかを大真面目に検討している。このアプローチは既存の写真や目撃証言だけを巡ってああでもないこうでもないと議論しているのと一線を画しており、その手があったかと思わず唸ってしまった。 後の章では生態系をテーマにした様々な話題が取り上げられる。全体を通して、(生物学者ではない) 一般の人々が思い込んでいる生態...
book

爆笑問題, 日と米 爆笑問題の日本史原論

さらっと読めるのは良いのだけれど、本題と関係なさ過ぎるボケが多くちょっと辟易する。 章間の関連書籍の紹介が地味に良いが、こちらはライターの田中聡の手に依るもの。
book

マイケル・ルイス, ライアーズ・ポーカー

マネー・ボールのマイケル・ルイスのデビュー作。 著者の実体験を元にした80年代のソロモンの内情暴露本で、決して投資の役に立つような本ではない。読み物としては上々。
book

山本弘, 去年はいい年になるだろう

山本弘の私小説的要素の強いSF作品。 氏の小説が初めてという方には何が何だかという部分もみられるが、や時代からのファンである私には共有できている楽しさがある。また、氏の内面を吐露する場面などファンでなければ赤面してしまうようなものが多いが、これもこの作品の味だろう。 もちろん、SF部分の出来は素晴らしく、センス・オブ・ワンダーを十分に堪能させてくれる。