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玉村豊男, 料理の四面体

長らく絶版となっていたが、この度めでたく文庫で復活した。 タイトルにもなっている "料理の四面体" とは、ありとあらゆる料理をたった一つの四面体の表面にマッピングしてしまおうという試みのこと。こういったメタな料理論というのは類書があまりなく実に新鮮。しかしながら、それで既存の料理を分類できるということと、実際にそれを活用して創作するということの間には大きな溝がある気がする。
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諸島文化民俗研究会, 潜入! ニッポン不思議島

宝島社なので仕方ないが、少しオカルト方面に振りすぎか。 移動中に気軽に読み飛ばす文庫としては悪くない。
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ゴースト トリック

逆転裁判シリーズの巧舟の新作。 キャラクタの滑らかな動きといい、パズルが解けたときの爽快感といい、快感要素が盛りだくさん。もちろん、いつも通りの練り込まれたセリフの数々も素晴らしい。 強いて難を挙げるなら、少々ボリューム不足な点くらいか。基本的に一本道であり、一通り最後まで行ってしまうと特にやることがない。
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山本弘, 江藤巌, 皆神龍太郎, 植木不等式, 志水一夫, 人類の月面着陸はあったんだ論 と学会レポート

へのアンサーソング。 いつものと学会節で小気味よく楽しめる。予備知識なしで読める構成となっているのも良い。と学会のファンならば読んで損なし。
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ヒッチハイク愛好会, 猿岩石大ウソ日記

一昔前に大ブレイクした猿岩石のユーラシア大陸横断ヒッチハイクの内容を検証しようという暇な本。それを読んでいる自分はもっと暇人か。 テレビの企画をノンフィクションだと信じてしまう人ならば一度読んだ方がいいのかもしれない。
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奥村倫弘, ヤフー・トピックスの作り方

Yahoo! Japanのトップページに表示されているトピックス担当者のお話。トピックスがどのような体制で運営されているのかという内情は単純に興味本位で面白い。 後半は既存メディアとの関係を含めたニュースのあり方が語られる。読売新聞出身という著者の背景もあってか少々既存メディアに寛容に感じるが、大筋ではまともな内容。
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浅川芳裕, 日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率

自給率という指標が様々な問題を抱えているというのは周知の通り。本書の前半はその様に問題のある指標が生み出された背景として、農水省の利害を指摘している。 後半は少しポジティブな話題で、日本農業の強さと将来の展望を扱う。この手の話題では避けて通れない食料安全保障の問題もきちんと扱われており好感が持てる。 食糧事情に少しでも興味のある方には自信を持っておすすめできる。
comic

葛西りいち, あしめし つう アシ仲間でメシが食えんのか

あしめしの続編。 以前よりもさらに内輪ウケに近づいているが、色々と私生活的に動きが出てきて今後が少し気になってしまう。
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恋パラ支部長(著), 波多野ユウスケ(漫画), 21世紀ファミコン

ただのファミコン懐古本ではなく、未だにバリバリ現役のハードとしてファミコンを遊び倒す本。そのファミコンへの熱い思いはもはや偏執的。 独創的な縛りプレイの数々を思いつくだけではなく、実際にプレイしてしまうバカさが素晴らしい。ロードランナーの穴掘りなし&金塊整頓プレイなど、常人の発想ではない。また、本来は対戦ゲームではないスーパーマリオブラザーズでの無理矢理対戦プレイなど、新たな世界を切り開くネタも多い。波多野ユウスケのマンガもユルくていい。なお、本書を購入した方はカバーを外して...
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小野剛, サッカースカウティングレポート 超一流の分析

サッカー観戦の助けになる情報は多く、一人のサッカーファンとしては楽しめた。また、日本代表コーチ時代のエピソードにも、読み物として面白いものがいくつか。 しかし、スカウティング技術の専門書としては物足りない。本書中では、過去の少数の事例に対する感覚的な評論のみで、定量評価が全くない。