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ヤマザキマリ, テルマエ・ロマエ I

売れ筋のマンガを読むのはミーハーな様で悔しいのだが、これが憎たらしいくらい面白い。日本の風呂・トイレ文化を外の視点から眺めると、そのガラパゴス的な進化がよく見える。
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唐木英明(著・監), 暮らしのなかの死に至る毒物・毒虫60

身の回りには思った以上に危険な毒が溢れている。毒科学や中毒学の専門家をそろえた著者陣だけあり、ただ危険を煽るだけの内容ではなく、リスクの高い毒に対する対処方法までがきちんと押さえられている。純粋に雑学的読み物としても悪くない。
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藤田一郎, 脳ブームの迷信

本物の脳研究者である藤田一郎による脳ブーム懐疑本。ワープロ打ちそのままの様な男らしい書式だが内容は本物。
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荒俣宏, 想像力の地球旅行 荒俣宏の博物学入門

主に近代の博物学がどのように発展してきたかを大きな流れで掴める。まだまだ未知の世界があった頃の世界探検の興奮が伝わってくる良書。さすが荒俣先生というべき蔵書の数々から採られた図版も眺めているだけで楽しい。
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小泉武夫, 奇食珍食

元となった単行本は1987年の刊行なので、小泉先生の著作の中ではかなり初期の作品。専門とする発酵食品だけではなく、著者が実際に食べ歩いた世界中のゲテモノ・いかものの類を扱っている。読み物としては申し分なし。
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いしいひさいち, 現代思想の遭難者たち

現代思想をある程度分かっていないと楽しめないネタが多い。枠外に解説が付いているものの、それを読まないと理解できないというのはマンガとして成り立っていない様な気がする。
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ASIOS, 謎解き 超常現象 II

謎解き 超常現象の続編。前作とほとんど同じスタイルを踏襲している。新ネタも多く、また他の本からの引き写しではない独自調査が多いのも嬉しいところ。
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大和田秀樹, ムダヅモ無き改革 (4)

バカさ加減は全く衰えず、むしろ勢いを増すばかり。いったいどこへ着地させようとしているのだろうか。
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斎藤美奈子, 戦下のレシピ 太平洋戦争下の食を知る

戦時中の記録のうち、婦人雑誌のレシピに目を付けたのは見事。ただし、資料をまとめましただけで終わってしまっているのが少し残念。この手の企画には、実際に試作・実食しての評価を期待してしまう。巻頭カラーに少しだけ当時のレシピに沿って調理した写真が掲げられているが、あまり本文とリンクしていない。
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白輪剛史, 動物の値段

著者のような動物商にとってはその値段は当たり前のことかも知れないが、素人の持つイメージとの乖離は実に大きい。動物というナマ物の値段が、単なる希少度だけではなく、需給関係、飼育コスト、輸送難易度、繁殖難易度、規制など様々な要因に左右されることがよく分かり実に興味深い。