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ビョルン・ロンボルグ, 山形浩生, 環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態

今世界中で騒がれている環境問題はそれほど致命的な問題ではないということを、大量のデータで示した本。有名どころの環境問題は一通り網羅されており参考文献も豊富なので、リファレンスとしても。 一つだけ文句を付けるなら、これだけ数字が多い本は横組みにして欲しかった。山形浩生の訳は好みが分かれるところだろうが、読みやすい部類だと思う。
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岩波貴士, 人にはちょっと教えたくない「儲け」のネタ帳

続編のと併せて。 ネタ本としては面白いが、基本的には売る側の視点なので、買う側の視点になってみるとあまり気分が良くない項目も多い。
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芳崎せいむ, 鞄図書館(1)

あらゆる本が揃っているという鞄図書館、という設定でもう間違いなし。 本好きなら是非。
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小駒勝美, 漢字は日本語である

漢字雑学本なのだけど、さすがの執筆者だけあって、漢字への愛がきちんと感じられる。 あまり系統立てられていない雑多な内容なので、お気軽にどうぞ。
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高橋秀実, からくり民主主義

マスコミで良く取り上げられる現場の "現地民の日常の空気" を取材したお話が中心。 諫早湾干拓、上九一色村、沖縄米軍基地、若狭湾原発、富士青木ヶ原樹海などマスコミ報道を見ていると大騒動に感じられる場所でも、現地に行ってみると案外醒めているというのはよくある話なのだろう。
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見ル野栄司, シブすぎ技術に男泣き!

どこかで見たことがあるようなマンガだと思ったら、リクナビNEXTの連載だった。 連載の方向が少しブレていた様で、先端企業への現場取材、日本の発明王の伝記物、著者自身の過去の開発物、現場の職人ネタなど良く言えば盛りだくさんの内容。メカトロ系の現場の話はIT系とはまた違った意味で面白い。
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神永正博, 学力低下は錯覚である

世間で良く語られる "ゆとり教育による学力低下" 論がきちんとしたマクロデータで検証されている。 学力低下の主原因はゆとり教育ではなく少子化、理工系離れは女子の進学率向上が原因で男子の理工系学生は減っていない、といったあたりは言われないとなかなか気付かないもの。良くある論説に騙されないためのリテラシー本としてもおすすめ。
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アレックス・バーザ(著), 小林浩子(訳), ウソの歴史博物館

古今東西の世間を騒がせてきたウソを集めたもの。 いわゆる hoax の類が中心で、読んでいて爽快なのが嬉しい。
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奥野修司, ナツコ 沖縄密貿易の女王

戦後混乱期の沖縄における密貿易時代を追ったドキュメンタリー。 ほとんど文書としての記録が残っていない中、数少ない存命の関係者への取材でここまで調べ上げたのは素直に脱帽。タイトルにもなっている、密貿易の中心人物の一人であった金城夏子という人物が生き生きと伝わってくる。
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河岸宏和, “食の安全” はどこまで信用できるのか 現場から見た品質管理の真実

著者は畜産を中心に、食肉処理場から食品工場、大手スーパーまでを経験された方。食品流通の暴露話はやっぱり面白い。 流通側の視点から "コンビニエンスストアの食品ほど安全なものはない" という言葉が出てくるのは示唆に富む。コンビニ弁当は対面販売の食品と比較して、真空冷却後のチルド輸送などの温度管理やpH管理がきちんとなされていること、衛生管理体制が整っていること、大量生産をする必要があるため毎日原材料から作り上げていること、などは言われてみれば納得の内容。