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パオロ・マッツァリーノ, コドモダマシ ほろ苦教育劇場

パオロ氏の新刊。今回のテーマは教育ということで、子供のスルドい質問に父親たちが屁理屈をこねくり回す。 相変わらず皮肉のきいた内容で、安定して面白い。また、"理論派お父さんのためのブックガイド" と称して、関連図書が (こちらも毒を交えて) 紹介されているのも嬉しい。
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デヴィッド・W・モラー(著), 山本光伸(訳), 詐欺師入門 騙しの天才たち:その華麗なる手口

1940年頃の作品の復刊なのだが、今でもあまり古さを感じさせない部分が多い。特に "カモを分析する" の章などは、騙される人間の本質は今でもあまり変わっていないのではないかと思わせる。 あまり読みやすい本ではなく、ノンフィクション的な面白さには欠けるが、詐欺師たちの生き方や哲学を知るには良書。
comic

花輪和一, 刑務所の中

自身の刑務所体験を綴った漫画。 制約の多い刑務所の生活なのだが、あまり悲壮感がなくユーモアすら感じる内容。特に食に関するエピソードが多いのは、やはり刑務所内の生活の楽しみはそれくらいしかないからか。
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玉村豊男, 健全なる美食

自身で農園も営んでいる著者によるレシピ集。 ただのレシピの羅列だけではなく、その料理が生まれるまでの背景や、その料理に本質的に必要なのは何であるのかが述べられているのは楽しい。ただし、実際に作ろうと思うと少し敷居が高そうなものが多いのも事実。普段の食事というよりはもてなし用の料理か。
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ジェームズ・サーバー(著), 稲葉明雄(訳), 永井淳(訳), 村上博基(訳), 12人の指名打者 野球小説傑作選

"古き良きベースボール" をテーマに集められた12本の短編集。 翻訳は今ひとつだが、それぞれ全く異なるテーマで書かれているので飽きずに楽しめる。全体的に当たりの作品が多いが、特に "新米審判" や "閃くスパイク" の様なベテランが新人を成長させるタイプのベタなストーリーが米国ベースボールの価値観を感じさせてくれて実にいい。
book

町山智浩, アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない

自ら情報発信をするいわゆるインテリ層ではない、普通のアメリカ人というものがよく見えてくる本。 様々なメディアを通じてみるアメリカは、比較的声が大きく外国にも発信されやすいリベラル寄りの意見がばかりが目に付くが、実は右派が根強い勢力を誇っているのがよくわかる。
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コンラート・ローレンツ(著), 日高敏隆(訳), ソロモンの指環 動物行動学入門

もはや古典とも言える動物行動学の入門書。 エッセイ形式なので非常に読みやすい。動物たちに翻弄される様子がユーモラスに書かれており、ローレンツ先生のお茶目なお人柄が伝わってくる。
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黒田龍之助, はじめての言語学

そもそも言語学って何をやってるの? という素朴な疑問に答えてくれる本。 文体に少々癖があるが、そこさえ合えばおすすめできる。自分も含めた言語学の門外漢の多くが、言語学に対していかに誤ったイメージを持っているかがよくわかる。また、次に読むべき本が単純な書名の羅列ではなく書評付きで挙げられているのは嬉しい。
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松本仁一, カラシニコフ (I) (II)

少しでも軍事や国際動向に興味のある人なら一度は耳にしたことがある自動小銃、カラシニコフ AK-47。そのカラシニコフがどこでどのように使われているのかを通して、世界の紛争を追っている。 カラシニコフはまさに世界中至る所で使用されており、アフリカ、南米、イラク、アフガニスタンなど、紛争のある場所には必ずカラシニコフの影があると言っても過言ではない。 それらの各地域で、自衛のためにカラシニコフを持たざるを得ない状況を眺めると、日本に住んでいるとあまり気にすることのない国家のあり方...
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村上春樹, シドニー! (1) (2)

今更ながら読んでみる。 村上さんらしい、ちょっと一歩引いた感じのシドニーオリンピック訪問記。ただのオリンピックの実況中継ではなく、オーストラリアの歴史やユーモアたっぷりのコアラ達の観察など盛りだくさんの内容。 オリンピック部分は、マラソンランナー・犬伏孝行に踏み込んでいくところが実に興味深い。シドニーでは残念な結果に終わってしまったのは事実だが、その背景には様々な思いがある。