book 谷口尚規, 冒険手帳 火のおこし方から、イカダの組み方まで 1972年に刊行されたものの復刻版。年代的に私よりも一回り上の世代の人々がターゲットだと思われる。小学生あたりの心を鷲掴みとしてきたであろう独特のテイストがたまらない。冷静にみると使う機会が思いつかない様な知識 (モチナワでコウモリを捕まえる!) やソース不明な逸話 (ホピ族の若者は200kmを15時間で走る!)も多いが、胸を躍らせるという基準でみれば極上のものがよく厳選されている。 2006-07-12 book
game 東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング 周回遅れで流行に踊らされてみる。社会人になってからさらに手書きをする機会が減ったせいか、漢字が書けなくなっている自分に気付く。とはいえ、漢字が読めなくて困ったという経験はほとんどないので、passive vocabularyとactive vocabularyの差がどんどん拡大しているのだろう文字認識はたまに怪しい時がある。画数の多い漢字は比較的正しく認識されるのだが、数字や記号 ("×" と "+" など) が誤認識されやすい。時間制限のある問題では致命傷になりやすいゲーム... 2006-07-01 game
book 小林信也, データで読む 常識をくつがえす野球 データスタジアムのデータをもとに、主に昨期 (2005年シーズン) のプロ野球の分析を行う。データ本にしてはなかなか読みやすくまとまっている。しかしながら、せっかくのデータの読み方を間違っていると思われる項目が散見されるのが残念。例えば、「初回の得失点が勝率を大きく左右する」として初回の得失点と勝率の相関の高さを述べているが、初回に限らず得失点があれば勝率と強い相関が出るのは当たり前。初回の得失点の重要性を述べたいのであれば、初回以外に得失点があった場合との比較をしなければい... 2006-06-29 book
book 早坂隆, 世界の日本人ジョーク集 どこかで聞いたことのあるジョークを日本人対応に焼き直したようなものも混ざっているが、読み物としては悪くない。また、ジョークの合間にはさまれるコラムは、日本人の自尊心をくすぐるようなものとなっておりなかなか興味深い。これは、著者が比較的親日なルーマニアで活動していたことも関係していると思う。 2006-06-25 book
book ケン・ブレイ(著), 近藤隆文(訳), ビューティフル・ゲーム 世界レベルのサッカーを科学する ワールドカップ前に読もうと思っていた本だが、ようやく読了。戦術 (システム) の変遷から、フリーキックの解析まで、サッカーに関する事柄を科学的に解明する。戦術の変遷などはある程度サッカーの歴史を知らないと理解しにくい部分もあるが、その他は数値や図表も豊富で存分に楽しめる。おすすめ。 2006-06-24 book
book 栄養士さんが考えた チキンラーメン ヘルシークッキング なぜか手元にあったのでめくってみたが、無理にチキンラーメンを使ってみました感がありありの料理がステキ。この現実感のなさはアレだ、電子レンジを買ったときについてきたレシピブックだ。 2006-06-18 book
book 麻雀の未来 自分も幽霊部員であるところの麻雀サークルS&C (千式&ちゅんま) のメンバーが中心となって発行した同人誌、麻雀の未来を入手した。初回頒布を入手し損ねたので第2版。執筆陣をみるだけで、クオリティの高さがよくわかる――わかる人には :-)読み物としては、izumick氏の「麻雀マンガ30年史 (前編) 」が出色。近頃はマンガ論やマンガ史を正面切って論じているのをよくみるが、麻雀マンガだけをここまで掘り下げたのは初めてではないか。後編も大いに期待している。浅見了氏の「麻雀学事始」... 2006-06-16 book
book ASH(ACTION ON SMOKE AND HEALTH), 悪魔のマーケティング タバコ産業が語った真実 タバコ産業が、タバコの害を知りながらそれを隠し、いかに巧妙なマーケティングを行ってきたかを、豊富な資料で語る。タバコの害については既にいろいろなところで喧伝されているので、いまさらとりたてて言うことはないが、それを隠しながら拡販を続けるタバコ産業の商売のやり方を暴いた功績は大きい。淡々と資料の抜き書きとそれに対するコメントが並べられているだけで特に読みやすくする工夫がされているわけでもないし、翻訳も今ひとつだが、内容の充実ぶりは保証できる。 2006-06-14 book
book 石井直方, 谷本道哉, 体脂肪が落ちるトレーニング 1日10分〈クイック→スロー〉で自在に肉体改造 半年ほど続けているトレーニングで、体重は2kgほど、体脂肪率は3%ほど落ちた。数値上は、ほぼ学生時代の体型に戻ったことになる (はず) 。この半年間のトレーニングは、週2回の筋トレ + 気分次第でのロードワークが基本。筋トレはウェイトは使わずに、自宅でできるものだけ。ジムに通うのは絶対に続かない自信があったので。ロードワークの方は天気によってはさぼったり、ロードレーサーで遠出したり。食事制限はほとんどしていない。強いて挙げるなら外食を選ぶ際に (普段は自炊だが、出張中などはそ... 2006-06-09 book
book 鯖田豊之, 日本人の戦争観はなぜ「特異」なのか 日本と欧米の比較にみる戦争と人間の風土 肉食の思想と同じく40年前の本の復刊だが、これも全く古さを感じない。鯖田先生の専門である西洋中世史の知識に基づき、欧米の戦争史を眺めることで、日本と欧米の戦争観の違いを探る。そもそもの近代国家の成立までの道のりが全く異なる以上、戦争観が食い違うのも当然のことのように思える。また、後半は「死」の概念について、日本と欧米の違いを探っているがこれも興味深い。改めて、自分の死生観が日本人のものであることを認識する。 2006-06-08 book