review

book

梶山季之, せどり男爵数奇譚

古書蒐集にとりつかれた男、せどり男爵の物語。自分も古書のために神田や早稲田界隈を探し歩いた経験がある身故、古書に魅入られた人間の心理は良くわかる。せどり男爵が和本に目を向けるきっかけとなった人物である加盞堂老人が、夢にまで見た本を見つけた時の心理を「何度みても、間違いないと知った時、わしは失禁しそうになった」と語っているが、古書マニアの昂奮を見事にあらわしている。他にも、洋書の初版本に目がない婦人、ビブリオクレプト (盗書狂) にまつわるミステリー、本の装丁に魅入られた男など...
book

兵頭二十八, 別宮暖朗, 戦争の正しい始め方、終わり方 小さな戦争が大きな戦争を食い止める…

「戦争反対」が戦争を招くとして、欧州の戦史に沿った解説が行われているのは分かりやすい。後半では北朝鮮の今後についても語られているが、現代軍事については他の論者の意見も合わせて読んだ方が良いかも。
book

高橋征義, でかいプレゼン 高橋メソッドの本

実は今、正月だというのに比較的真面目なプレゼンの準備をしている。もちろん、高橋メソッドを使ってはマズそうな場面なのだが、この本の隠れ高橋メソッドならば使えそう。要するに高橋メソッドの1ページを普通のプレゼンの箇条書きの一行に対応させるものなのだが、高橋メソッドの推敲のしやすさやストーリーの組み立てやすさは享受できそう。
book

パオロ・マッツァリーノ, 反社会学の不埒な研究報告

前作のに比べ、落語やコント形式など少々凝った構成のものが目立ちすぎているものの、その他は相変わらずの軽妙な文体がすばらしい。ネタも、真面目と不真面目のバランス感覚が見事。特にGDPのいい加減さへのツッコミは的確で、お勧め。
book

メーラーだえもん, メーラーだえもんさんへの手紙

MAILER-DAEMONさんへ届いたお返事を集めた本。同名のサイトの書籍版らしい。サクサク読めるネタ本で、電車の中で読むのには最適。ちょっと割高だけど。
comic

西原理恵子まとめ読み

最近追いかけていなかったりえぞお先生の本をまとめ読み。この3冊はほとんどがギャグ作品だが、一つだけ例外。に収録の "うつくしいのはら" に不覚にも涙した。ギャグ漫画の合間に、さりげなくこの作品を放り込める西原先生はやっぱりタダモノではない。
product

USB2.0カードリーダ

1年ちょっと前からA5406CAを愛用しており、デジカメ代わりとしても活用している。今まで、A5406CAからPCへの写真の転送は、充電器兼用のクレードルを使用してきた。しかし、このクレードルはPCからはストレージクラスとして見えるわけではなく専用ソフトのインストールが必要。また、ケーブルだけで接続する事ができず、必ずクレードルが必要。そのため、外で写真を大量に撮ってノートPCに吸い出すのに、非常に不便な思いをしていた。そんなわけで、A5406CAのminiSDカードを直接吸...
book

ドネラ・H・メドウズ, デニス・L・メドウズ, 地球のなおし方

装丁をみると軽めのエコ本のようだが、中身は硬派。環境汚染、資源の枯渇といった環境問題をそれぞれ単独でみるのではなく、全体をシステムとして捉えている。個々の問題にとらわれすぎることなく全体として何をするべきかを考えているのは実に興味深い。また、地球のモデル化とコンピュータシミュレーション (明記されていないが、おそらくJay ForresterのWorld Dynamicsのモデルによるものと思われる) を行っているのも興味深い。技術や市場の力だけでは破綻を回避することができず...
book

岡崎良介, フリーランチ投資家になろう!

長期投資・分散投資を中心とした本で、日本株と外国債券の組み合わせを推奨している。最近増殖しているデイトレ本などよりは遙かにトンデモ度は低い。ただし、後半に登場するデジタルチャートなどは少々眉唾。また、日本株のサイクルなどの話もいろいろとそれらしいことが書いてあるが (pp.153など) 、どうもランダムウォークな株価に対して理由を後付けしている感は否めない。また、景気の判断指標として、中小企業景況感指数、鉱工業生産指数の在庫、鉱工業生産指数の耐久消費、の3点に着目するよう薦め...
game

ベスプレ’00用 2005年度データ

毎年恒例 (2004年度, 2003年度) の、The Best Play Baseball Worldの2005年度データがfixされた。とりあえず数シーズンほどスキップモードで回した印象。相変わらずよくバランスがとれているが、パ・リーグがやや荒れやすい気がする。セ・リーグは概ね安定しているが。