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マティアス・ビンズヴァンガー(著), 小山千早(訳), お金と幸福のおかしな関係

経済学者による幸福論。カーネマンらによる幸福研究はセックスなどの行動が幸福感を向上させることを明らかとしたが、ブランチフラワーやオズワルドの調査では収入とセックスの頻度には関係がないことがわかっている。人を幸福にする他の行動も、収入とともに増えるどころかむしろ減っている。ランク付けはさまざまな活動をステータス競争へ変え、内在的なモチベーションを殺し、その活動に関わる人々の幸福度を下げる。フィギュアスケート、学術研究などが代表例。トレッドミルは経済成長の源泉でもあるが、同時に幸...
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紀田順一郎, 蔵書一代 なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか

田舎に大きな書庫を備えた家を建てて好きな本に囲まれて暮らすという夢は、すべての蔵書家が一度は思い描いたことがあるだろう。そんな暮らしを一度は実現しながら、家族や自身の健康などの理由で捨てざるを得なくなったのは心情を察するに余りある。さらにその際に3万冊超の蔵書を手放さざるを得なくなったとなると、自らの半身をもぎとられたようなという比喩では物足りないだろう。そんな著者の体験を踏まえ、さらに個人蔵書の受難の時代背景や名だたる蔵書家たちのエピソードを折り込み、蔵書論ともいうべき作品...
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マキタ 充電式クリーナ CL107FDSHW

家内が独身の頃から酷使し続けてきたツインバード工業の掃除機がついにお亡くなりになったので購入。他の家電メーカーの掃除機もひと通り調べたが、充電式のものは高すぎる上にバッテリがいつまで供給されるか不安なものが多い。この製品はマキタの他製品と共通のを使用するので、さすがに供給が止まることはないと踏んで購入。連続稼働は十数分からせいぜい二十分といったところだが、一回の掃除には充分。こまめに掃除してすぐに充電器に挿しておくスタイルにはぴったり。も使用可能だが、供給が止まったら付属のダ...
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クラウディア・ハモンド(著), 木尾糸己(訳), MIND OVER MONEY 193の心理研究でわかったお金に支配されない13の真実

行動経済学や心理学の研究成果をもとにお金と心の関係を探る。金銭的インセンティブの研究から、出来高制の報酬はある水準を超えるとうまく機能しなくなることがわかっている。人は報酬の対象とならない努力をしようとしなくなる。子供の教育に関する研究も面白い。単に良い成績にお金を出すのではなく具体的な課題の達成にお金を払うことが成績向上につながる。また、子供の成果を褒めるよりも、努力や取り組み方を褒める方が効果的。金銭感覚が似ている夫婦は幸福度が高い。離婚の先触れとなる最大の要因はお金に関...
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岡本健太郎, 山賊ダイアリー (5) (6)

だいぶ長期連載になってきた。日常の安定した面白さの上に、アメリカザリガニ、ヌートリア、アナグマなどの珍味追求が加わり飽きさせない。
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佐藤優, いま生きる階級論

新潮講座の内容を書き起こしたもので、資本論の読み方を契機に様々な教養を説く。マルクス経済学では、労働力商品の対価すなわち賃金は生産論で扱われ、分配論には組み込まれない。 賃金は生活費、再生産費、自己教育費から成り立つもので、富の分配ではない。資本主義の論理に巻き込まれると、死ぬまで働かされるというスタイルになってしまう。 資本主義社会には自己実現などない。 ここから抜け出すもっとも現実的な方法は、職人、画家、作家、開業医、ラーメン屋のような労働力が商品化されていない世界の小商...
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安間伸, ホントは教えたくない資産運用のカラクリ 投資と税金篇 2016

2003年版を大幅に改訂したもの。この10数年で大きく変わった投資税制を反映し (2003年時点では株式や投資信託の譲渡損失と配当金や分配金の損益通算すらできなかった) 、戦略も大きく練り直されている。円MMF、公社債投信、利付債、割引債などが株式や投資信託との損益通算ができるようになった今、預金をする理由はなくなった。複数の特定口座があれば、申告不要制度を最大限に活用できる。都合の良い特定口座だけを確定申告すれば良い。雑所得になる投資はしない方が良い。どうしてもしたいなら会...
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グレゴリー ルーファス12

10年ほどに渡って初代ルーファスを使用していたが、さすがに限界が来たので買い替え。背負った際の第一印象として、重心が非常に高く感じる。腰回りをすっきりさせたのが効いている。その分、腰骨で荷重を支える感覚が薄くなったのは一長一短今風のベスト型に近づいた設計で、より強いフィット感ある程度の期間使ってみないと実態はわからないが、メッシュ作りの肩紐などは耐久性が不安になる薄さショルダーハーネスにボトルが入るようになったのも今風。もちろん、バックパックを下ろさずに出し入れできる背面のボ...
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エリック・ライス(著), 浅野紀予(訳), ほんとに使える「ユーザビリティ」 より良いデザインへのシンプルなアプローチ

ユーザビリティの教科書。あまり系統立った本ではないが、細かなtipsの質は高い。また随所に出てくるバッドデザインの事例はやはり眺めているだけでも楽しい。ボゴ・バトベックの3段階式ユーザビリティプランは、ユーザビリティ以外にも適用できる気がする。例えばセキュリティなど。FUD (Fear, Uncertainty, Doubt) を減らせるならどんなことでもユーザビリティの改善につながる。画面上のエルゴノミクスデザインではフィッツの法則を意識する必要がある。小さいボタンはそれだ...
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岡本吏郎, 会社にお金が残らない本当の理由

中小企業向けの経営指南書。経営の最終到達点は1円でも多くお金を残すことと説く。これは内部留保を増やすことと同義。これだけ聞くと当たり前に聞こえるが、節税のために目一杯役員報酬を払っている場合は、そこに再投資のための内部留保が含まれていることを忘れがち。役員報酬はあくまでも合法的裏金に過ぎない。銀行よりも仕入先、友人、親戚を大事にしろというのは同意できる。すべてがゼロになって再起を図るときに協力してくれる大事な人を道連れにしてはいけない。決算書の利益は税金を取るための数字であっ...