anthropology

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鯖田豊之, 肉食の思想 ヨーロッパ精神の再発見

日本と欧米諸国の食生活パターンの違いを元に、宗教や身分制度、結婚観、果ては社会意識の違いまでを解明する。少々コジツケにみえる論旨もあるが (本書の性質上、食生活以外のところをバッサリと切り捨てているのでやむをえないが) 、自分が触れてきた欧米諸国の人々を思い出してみても非常に共感を覚えるところが多い。40年前の本なのでさすがにデータが古くなっているところもあるが、論旨自体は今でも古さを感じない。
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ジャレド・ダイアモンド(著), 倉骨彰(訳), 銃・病原菌・鉄 (上巻, 下巻)

なぜ、欧州の文明が現在の世界を席巻するに至ったのか。なぜその役割はアフリカ大陸やアメリカ大陸、オーストラリア大陸ではなく、ユーラシア大陸の欧州に与えられたのか。この疑問を、各大陸の環境という側面から鮮やかに解き明かす。最近のノンフィクションの中では一番の当たりかも。お勧めです。
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R.M.W.ディクソン, 言語の興亡

言語がどの様に生まれ、分岐し、滅亡していくのかを俯瞰的に捉えている。ただし、作者の持論である断続平衡説など、まだ仮説レベルの話も多く含まれているため、その点は注意する必要がある。言語が失われるプロセスに関するくだりが興味深い。通常、社会的立場の弱い非優勢言語の話者が第二言語として社会的に優位な優勢言語を覚える場合が多く、逆は少ない。これは、英語を話す日本人の割合と、日本語を話す英・米国人の割合を考えれば理解できる。言語が消滅する典型的なケースの一つとして、劣性言語と優勢言語の...