R.M.W.ディクソン, 言語の興亡
言語がどの様に生まれ、分岐し、滅亡していくのかを俯瞰的に捉えている。ただし、作者の持論である断続平衡説など、まだ仮説レベルの話も多く含まれているため、その点は注意する必要がある。言語が失われるプロセスに関するくだりが興味深い。通常、社会的立場の弱い非優勢言語の話者が第二言語として社会的に優位な優勢言語を覚える場合が多く、逆は少ない。これは、英語を話す日本人の割合と、日本語を話す英・米国人の割合を考えれば理解できる。言語が消滅する典型的なケースの一つとして、劣性言語と優勢言語の...