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アントニオ猪木, 猪木詩集「馬鹿になれ」

実は元気が出ないときに繰り返し読んでいる一冊。詩において表現技法云々はあくまで脇役であることを思い知らせてくれる素直で力強い詩の数々。写真と合わせて、猪木の格好良さがどこまでも伝わってくる。猪木信者ではなくとも一度読んで欲しい。
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谷岡一郎, エッシャーとペンローズ・タイル

近頃は社会学系の本を出さずに趣味のSFやパズル、ポーカーあたりに浮気していると思ったら、今度はペンローズ・タイルときた。数学者ではないので厳密さには少し欠けるが、十分に知的好奇心を刺激してくれる内容。図版も豊富で、眺めているだけでも十分に楽しい。おすすめ。
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荒俣宏, 想像力の地球旅行 荒俣宏の博物学入門

主に近代の博物学がどのように発展してきたかを大きな流れで掴める。まだまだ未知の世界があった頃の世界探検の興奮が伝わってくる良書。さすが荒俣先生というべき蔵書の数々から採られた図版も眺めているだけで楽しい。
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谷口ジロー, 遥かな町へ

谷口作品の中では少数派の原作なしのオリジナル作品。ストーリーはいわゆる使い古されたタイムスリップもので、目新しさはない。だが、昭和の空気を切り取った美しい絵にはつい引き込まれてしまう魅力がある。
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森博嗣(作), 佐久間真人(画), 猫の建築家

表紙絵に惹かれて読んでみたら文の方も大当たりだった。猫好きならぜひ。
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村上春樹, もし僕らのことばがウィスキーであったなら

お酒も弱くウィスキーのことは何もわからないけれど、こういった粋な旅には素直に憧れる。陽子夫人による写真も実にいい。
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アレックス・カー, 美しき日本の残像

祖谷や京都に住み、美術品を蒐集するヘンなガイジンの随筆集。現代の日本について厳しい意見が飛ばされるが、これも日本の文化を愛しているからこそだろうと思われる。
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竹内薫, へんな数式美術館 世界を表すミョーな数式の数々

そのタイトル通り、珍しい数式を鑑賞して楽しもうという本。企画は面白いが、数式には背景がわからないと全く理解できないものも多く、わずかな解説だけでは十分に楽しめないところがあるのが残念。
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片桐頼継, レオナルド・ダ・ヴィンチという神話

"万能の天才" として語られ、もはや神話化された様な扱いをされることもあるレオナルド・ダ・ヴィンチの実体を追った本。レオナルドが非凡なクリエイターであったことは間違いないものの、科学・工学への貢献や先見性については多くの疑問が残るのも事実だろう。
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安村敏信, 美術館商売 美術なんて…と思う前に

板橋区立美術館の学芸員の方の著作。美術館、特に日本の古美術品となるとかなり敷居が高く、なかなか訪れる機会もないのだが、その中の人がどんな工夫をして客を呼び込もうとしているのかがよくわかる。もっとも、ここまで高い意識を持って、一般の人々への普及を心がけている人がどれだけいるのかはわからないが。あまり食わず嫌いをせずに、たまには美術館に足を運んでみようかと思わせる一冊。