biography

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Caleb Melby (Written by), JESS3 (Concept, Design, Illustration), The Zen of Steve Jobs

Steve JobsとKobun Chino Otogawa (乙川弘文) の交流を描いたマンガ。出来過ぎた話が多く、どこまでが史実でどこからが創作がわからないが、読み物としては文句なし。日本のマンガとはまた違ったデザインも良い。
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谷口ジロー(著), 荻原美和子(原作), とも路

久しぶりの谷口ジローの新作。序盤から主人公の内田友司があまりに理想的な出来た人物で、どことなく教科書臭さを感じる。後に結ばれる伊東文明もどこか聖人的な雰囲気を感じさせ、何事かと思っていると唐突な幕切れ。巻末と奥付を見ると、何の事はない、真如苑の機関紙に掲載された作品であった。
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高部正樹, 傭兵の生活

コンバット・マガジンの連載をまとめたもの。時期的にはイラク戦争頃のネタが多い。体系的に軍事を学ぶような本ではないが、傭兵の生の声が聞けるのは類書が少なく貴重。
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澤宮優, 打撃投手

プロ野球の世界の裏方、打撃投手に注目したドキュメンタリ。ONの時代から現代まで、多くの打撃投手経験者へのインタビューを重ねた労作。裏方の目だからこそ見える、名選手たちの意外な側面も面白い。
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マルク・レビンソン(著), 村井章子(訳), コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった

現在では海運を中心に広く利用されグローバル・サプライチェーンを支えている貨物コンテナが世界を席巻するまでの流れを、実質的な発明者であるマルコム・マクリーンを中心に描いたもの。発明から普及までの正の部分だけでなく、コンテナ普及の抵抗勢力である労働組合や当局との闘いなどの負の部分が丹念に取り上げられているのも興味深い。企業の経営者が書評で絶賛するのがよく分かる。おすすめ。
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吾妻ひでお, 失踪日記2 アル中病棟

失踪日記の続編。ギャグマンガ仕立てとなっているので気楽に読んでしまうが、立ち止まって考えると非常に重い内容であることに気付く。ドキュメンタリとしてもマンガとしても見事な出来。おすすめ。
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タイラー・ハミルトン(著), ダニエル・コイル(著), 児島修(訳), シークレット・レース ツール・ド・フランスの知られざる内幕

元トップ選手による自転車界のドーピング暴露本。当時の自転車界にいかにドーピングが蔓延していたかがよく分かる。単なる暴露本としてだけではなく、タイラー・ハミルトンの半生記としても非常に良質なものに仕上がっている。
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矢沢永吉, 成りあがり How to be BIG 矢沢永吉激論集

アー・ユー・ハッピー?を読んで気になって20年ぶりに再読。やはり矢沢節は読んでいて気持ちが良い。
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水木しげる, コミック昭和史 (第8巻) 高度成長以降

長かった昭和もようやく終りを迎える。日本では戦争の影は薄くなり高度成長期を迎えるにつれ、水木のマンガ家としての生活や様々な空想の比重が高くなってくる。そんな中で、数回に渡るラバウル再訪と "南の人" との奇妙な交友は、嫌でも戦争を思い出させ、戦争が水木に与えた影響の大きさを思い知らされる。
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荒川美幸, 国際結婚残酷物語 中国のど田舎に嫁いだ私

"中国のど田舎に嫁いだ私" というサブタイトルからは中国の奥地に移住した様な印象を受けるが、実際には中国人夫のパスポート発行までの僅かな期間を過ごしたのみ。それでも、中国との文化摩擦の読み物としては面白いし、本人の本音がそこここに滲み出ている文章も悪くない。