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ウンベルト・エーコ(著), ジャン=クロード・カリエール(著), 工藤妙子(訳), もうすぐ絶滅するという紙の書物について

二人のビッグネームによる対談。進行はジャン=フィリップ・ド・トナック。インキュナビュラを含む古書や稀覯書の蒐集家でもある二人だけあって、書物の話はいつまでも止まらない。その博識ぶりに圧倒されながらも、書物への愛をたっぷりと感じられた。おすすめ。
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鈴木みそ, でんしょのはなし

Web Magazine KATANAの連載をまとめたもの。氏お得意の電子書籍ネタだけに、今までの作品と重なる部分が多いか。新規のネタとしては、Amazonへの取材が企業としての姿勢が垣間見えて興味深い。
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ヘンリー・ペトロスキー(著), 池田栄一(訳), 本棚の歴史

フォークの歯はなぜ四本になったかのヘンリー・ペトロスキーが扱っていたもう一つのテーマは何と本棚。現在ではあまりに当たり前過ぎて視界に入らない本棚だが、この形が確立するまでには本の形とともに様々な紆余曲折を経てきた。本の形、本の社会的な位置づけ、読書スタイルの変化が相互に絡み合って変化していく様子はエンターテイメントとしても素晴らしい。おすすめ。
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施川ユウキ, バーナード嬢曰く。 (2)

1巻完結だと思っていたバーナード嬢曰く。のまさかの続編。前巻ではチョイ役だった神林しおりが独り歩きし始め、いい雰囲気に。読書家あるあるも健在。
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西牟田靖, 本で床は抜けるのか

最初は "本で床は抜けるのか" という素朴な疑問から出発したドキュメンタリが、いつの間にか蔵書を巡る長い旅へ。特に結論や増え続ける蔵書への決定打が出るわけではないが、蔵書の扱いに困っている人間ならば共感を持って読めるのは間違いない。終盤は本論から外れた著者の家庭の事情が強く出る構成で、好みが分かれるところかもしれない。
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中川右介, 出版社社長兼編集者兼作家の 購書術 本には買い方があった!

世の中に読書術の本は数あれど、これはちょっと目先の変わった購書術の本。購書術と言っても、一般読者がいかにお得に本を買うかやいかに稀覯本を手に入れるかではなく、出版文化を守るためにはどのような購入方法が望ましいかが出版社側の視点から語られる。紙の本を基礎に据えた現在の出版業界の形を維持することにこだわりすぎているきらいはあるが、一説としては面白い。
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田口久美子, 書店風雲録

一世を風靡したセゾングループのリブロの内情を関係者視点で。著者は当時リブロを含めた様々な書店を渡り歩いていた書店員。リブロに特に思い入れがない人でも、当時の書店事情に興味があれば楽しく読めるだろう。やたらと括弧が入るせいで流れが悪い文章がやや難か。
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メアリアン・ウルフ(著), 小松淳子(訳), プルーストとイカ 読書は脳をどのように変えるのか?

言語学と脳科学の見事な融合。書を読むということが脳にどの様な影響を与えるのかという大きな問題への解を見事に示してくれる。普段何気なく行っている読書という行為が、非常に複雑なプロセスの集合体であることに気付かせてくれる。つい読書を会得した子どもの頃に思いを馳せてしまった。
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山田奨治, <海賊版> の思想 18世紀英国の永久コピーライト闘争

現代の期限付きの著作権のきっかけとなった18世紀英国の法廷闘争を仔細に追いかけた作品。著作権の制限が決して遂行な理念だけではなく、海賊出版社の営利を求める姿勢によって生まれたというのは実に興味深い。
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本の雑誌編集部(編), 古本の雑誌 (別冊本の雑誌)

本の雑誌から古本関連の記事を再編集したもの。町田周辺で過ごした時間が長い身としては、高原書店の話が聞けたのが嬉しい。