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新雅史, 商店街はなぜ滅びるのか 社会・政治・経済史から探る再生の道

それなりに歴史があると思っていた商店街の大半が、実は第一次世界大戦後の離農者対策として政治的に作られたものであることは新たな発見であった。そこを出発点とすると、戦後の商店街の発展を経て、オイルショック後に急激に崩壊し圧力集団となっていく流れがすとんと腹落ちする。
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ダニエル・ジロディ(著), アンリ・ブイレ(著), 松岡智子(訳), 美術館とは何か ミュージアム&ミュゼオロジー

ミュゼオロジーの入門書であるが、事前知識なしで読める構成なので、素人でも楽しめる。 美術館や博物館はただの見世物小屋ではなく、それらを中心とした街作りまで踏み込んで考えるべきものであることを認識させられる。美術館の中の空間作りにも詳しく、どのような意図で展示されているかを考えるための助けになる内容。また、図版の質も高く、眺めているだけでも楽しい一冊。
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佐藤義典, 新人OL、つぶれかけの会社をまかされる

ライトノベル仕立てのマーケティング入門書。 いくらライトノベルとはいえストーリーはご都合主義が過ぎる気もするが、肝心のマーケティング部分はそれほどトンデモでもなくマトモな内容。数十分で気軽に読める本としては悪くない。
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安西洋之, 中林鉄太郎, 「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力

ローカリゼーションの重要性を説くビジネス書。 前半はマルちゃん (東洋水産) 、キッコーマン、TOTOといった成功事例分析が中心。それぞれのエピソードは読み物としては面白いが、失敗事例との比較が不十分なので、説得力が不十分。 後半はもう少し高い視点を目指しているものの、成功事例から適当にそれらしい要素をチェックポイントとして抜き出した様にしか見えず、普遍的な知識となっていない。
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牧野武文, ゲームの父・横井軍平伝 任天堂のDNAを創造した男

ゲームファンなら知らない人はいないあの横井軍平の伝記。遺したおもちゃやゲームを通して横井の生涯を描く。 執筆時点で既に故人となっていたことや、本人があまり私的な文書を残していなかったこともあり、各場面での横井の心情を憶測だけで描いているような箇所があるのが気になる。それでも、横井の仕事をきちんとまとめた文書が少ない中で非常に貴重な資料といえる。
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那須川哲哉, テキストマイニングを使う技術/作る技術 基礎技術と適用事例から導く本質と活用法

テキストマイニングの入門書だが、教科書的な体裁ながら非常に実践的な内容。 著者は元々IBMでTAKMIに携わっていた方で、ビジネス的な視点も備えており、TAKMIを用いたコンサルティングの経験から得られた知見も各所に見られる。 基本的にテキストマイニングの利用者視点で書かれているため、本格的にテキストマイニングの研究をしようという向きには物足りないかもしれない。それでも、テキストマイニングの適用方法から関連技術まで大枠はひと通り押さえているので、入門書としては申し分ない。
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安藤宏基, カップヌードルをぶっつぶせ! 創業者を激怒させた二代目社長のマーケティング流儀

あの安藤百福の跡を継いだ安藤宏基による経営論。二代目による視点であり、よくある創業者の自慢本とは一線を画す。 最近の日清食品の考えもよく分かる。ブランド・マネージャー制度を核とした社内制度やブランド戦略などを理解してから日清食品の商品ラインナップを眺めてみると、各商品がどのような流れで生まれてきたかが想像できるようで楽しい。 色々と気を使ってのことだと思われるが、競合他社への言及が殆ど無いところだけが難点といえば難点か。
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水野俊哉, 幸福の商社、不幸のデパート 僕が3億円の借金地獄で見た景色

水野俊哉がIPO寸前まで行ったベンチャー企業を転かした時の体験談。 一人称視点の自伝的な構成で、当時の経営者の心理がダイレクトに伝わってくる。一方でどん底の時期から7~8年が経過していることもあり、当時の自分を客観視した上で選択の失敗を分析できている点も良い。 借金を抱えてしまった際の対処方法にも触れられているが、断片的な内容でしかないので、そのあたりを期待する人は他の専門書を併読したほうが良いだろう。
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板橋悟, ビジネスモデルを見える化する ピクト図解

以前読んだダイジェスト版がなかなかの出来だったので親本の方も。 ピクト図を書く方法についてはダイジェスト版のままで、新しい情報は無い。差分は多数の事例とダイアグラム発想法やアナロジー発想法と組み合わせた応用例、発想の収束方法など。
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米川伸生, 回転寿司の経営学

経営学というよりは現在の回転寿司業界の業界地図といった趣。それはそれで最近の回転寿司事情に疎い人間には読み物として面白いが。 経営学らしい視点は、業界内でのポジショニングとコストの内訳。ポジショニングとしてはグルメ系回転寿司と100円均一回転寿司の二極化の流れや各チェーンのポジショニングの変化の分析が主。回転寿司ならではのコスト構造も興味深い。他の外食産業と比較して異常に高い原価率 (F/Lコスト) でありながら、広告宣伝費、地代家賃を削りつつ薄利多売の構造を維持することで成...