book 橘玲, 人生は攻略できる 残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法や幸福の「資本」論を若い読者向けに焼き直したもの。人生の攻略ときいて最初に思い浮かぶお金や仕事の話を中心に、現代の進化論に基づく幸福になるための情報がコンパクトに詰め込まれている。すでに氏の著作を読んでいる読者には目新しい情報が少ないかもしれないが、初めて手に取る読者の一冊目としてはお勧めできる。 2021-02-25 book
book ヤニス・バルファキス(著), 関美和(訳), 父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。 ギリシャの元財務大臣による経済入門書。子供向けと言うほどやさしくはないが、大人が経済の歴史を整理するのには良いと思う。著者の予想する市場社会の未来図は興味深い。自動化、競争がコストを押し下げ、また自動化を進めるロボットは消費者ではないため需要をも押し下げる。その結果として価格が製造コストを賄えない水準まで押し下げられる。こうして起きる経済危機はマルクスの予想とも一致する。第二次世界大戦中の捕虜収容所で生まれた経済の事例も興味深い。腐らず長持ちし持ち運びが簡単でその魅力が共有さ... 2021-02-22 book
book 西岡壱誠, 読むだけで点数が上がる! 東大生が教えるずるいテスト術 副題に "どんな試験でもすぐに使えるテストの裏技34" とあるが、文系の大学入試向けのテクニックが中心。汎用的に使えそうなのは、時間配分の技術くらいか。 2021-01-16 book
book 沖有人, マンションは学区で選びなさい マンションは10年で買い替えなさいに続いてもう一冊。マンションを学区で選ぶべきという主張は良いのだが、肝心の学区の評価がそのエリアの平均世帯年収になっているのが残念。きちんと価格変動や需要予測で評価して欲しいところ。 2021-01-12 book
book 平本久美子, やってはいけないデザイン 初心者向けのデザイン入門書。素人がやりがちな間違いを広く網羅しており、自分もやってしまっている間違いがいくつも見つかった。そのまま使える改善案が載っているのも嬉しい。 2020-09-17 book
book 動物事件研究委員会(編著), ぼくはこうして動物に襲われた あんなに優しい目をしていたのに 一見危険に見えないが実は危険な動物をテーマにした企画本。動物園でおなじみの動物たちから、イルカやアシカといった水族館の人気者まで、幅広い動物が取り上げられている。いずれも危険なイメージがあまりない動物たちだが、実際に人間が襲われた実例を見ると野生で生き延びてきた動物には必ず恐ろしい一面があることを思い知らされる。子供向けの装丁だが、大人が読んでも十分に楽しめる。 2020-06-29 book
book 平山尚, プログラムはこうして作られるプログラマの頭の中をのぞいてみよう ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術よりも初心者向きの内容。独自の日本語プログラミング言語Sunabaを用いた演習。Sunabaはかなり割り切ったシンプルな言語だがグラフィック出力を備えており、学習用として見事にデザインされている。 2020-05-07 book
book 平山尚, ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術 プログラミング言語の基本的な文法くらいは覚えたけど、いざゲームを作ろうとするとどうしたものか見当もつかないという層を対象にした参考書。見事なマーケティング。少し前の本で、C++のサンプルコードも少々古くはあるのだが、本質の部分はあまり古くなっていない。文体は好みが分かれそうではあるが、必要十分な説明が簡潔になされており、誠実な技術者であると感じる。細かな小ネタに有用なものが多く、ゲームを作らないプログラマであっても読んで損はない。 2020-04-14 book
book 高橋佑磨, 片山なつ, 伝わるデザインの基本 よい資料を作るためのレイアウトのルール 初心者向けの資料デザイン入門書。AdobeではなくMicrosoft Officeを前提にした解説で、すぐ使える内容が嬉しい。そのまま利用できるレイアウトや囲み枠等の実例も多数。 2020-04-04 book
book 米国科学アカデミー(編), 池内了(訳), 科学者をめざす君たちへ 研究者の責任ある行動とは 研究者は必ず読むべき本。タイトルは科学者となっているが、本書で述べられている研究倫理は、工学やその他の分野の研究者であっても厳守するべきもの。少し前の本なので実験参加者へのインフォームド・コンセントや個人情報の保護に関する記述はほとんど見られないが、その他の不正なデータ操作、利害関係の衝突、研究資料の帰属、業績評価、剽窃など、研究者が知っておくべき事項は一通り網羅されている。 2020-02-14 book