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平本久美子, やってはいけないデザイン

初心者向けのデザイン入門書。素人がやりがちな間違いを広く網羅しており、自分もやってしまっている間違いがいくつも見つかった。そのまま使える改善案が載っているのも嬉しい。
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動物事件研究委員会(編著), ぼくはこうして動物に襲われた あんなに優しい目をしていたのに

一見危険に見えないが実は危険な動物をテーマにした企画本。動物園でおなじみの動物たちから、イルカやアシカといった水族館の人気者まで、幅広い動物が取り上げられている。いずれも危険なイメージがあまりない動物たちだが、実際に人間が襲われた実例を見ると野生で生き延びてきた動物には必ず恐ろしい一面があることを思い知らされる。 子供向けの装丁だが、大人が読んでも十分に楽しめる。
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平山尚, プログラムはこうして作られるプログラマの頭の中をのぞいてみよう

ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術よりも初心者向きの内容。独自の日本語プログラミング言語Sunabaを用いた演習。Sunabaはかなり割り切ったシンプルな言語だがグラフィック出力を備えており、学習用として見事にデザインされている。
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平山尚, ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術

プログラミング言語の基本的な文法くらいは覚えたけど、いざゲームを作ろうとするとどうしたものか見当もつかないという層を対象にした参考書。見事なマーケティング。 少し前の本で、C++のサンプルコードも少々古くはあるのだが、本質の部分はあまり古くなっていない。文体は好みが分かれそうではあるが、必要十分な説明が簡潔になされており、誠実な技術者であると感じる。細かな小ネタに有用なものが多く、ゲームを作らないプログラマであっても読んで損はない。
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高橋佑磨, 片山なつ, 伝わるデザインの基本 よい資料を作るためのレイアウトのルール

初心者向けの資料デザイン入門書。AdobeではなくMicrosoft Officeを前提にした解説で、すぐ使える内容が嬉しい。そのまま利用できるレイアウトや囲み枠等の実例も多数。
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米国科学アカデミー(編), 池内了(訳), 科学者をめざす君たちへ 研究者の責任ある行動とは

研究者は必ず読むべき本。タイトルは科学者となっているが、本書で述べられている研究倫理は、工学やその他の分野の研究者であっても厳守するべきもの。 少し前の本なので実験参加者へのインフォームド・コンセントや個人情報の保護に関する記述はほとんど見られないが、その他の不正なデータ操作、利害関係の衝突、研究資料の帰属、業績評価、剽窃など、研究者が知っておくべき事項は一通り網羅されている。
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佐藤優, いま生きる「資本論」

読む順序が逆になってしまったが、いま生きる階級論の前著。 1930年代の日本資本主義論争まで遡った資本論の読み方を説く。天皇制の打破による日本の資本主義社会化の後に社会主義革命を目指す講座派と、すでに権力の実態を持っている財閥を即座に打破する社会主義革命を志向する労農派。それらの対立が資本論の読み方に強い影響を与えている。 人生を楽にするために資本論を読もうという提案も興味深い。資本主義のからくりを知ることは、資本主義社会の中で自分の置かれた状況を客観視することにつながる。資...
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川端裕人, PTA再活用論 悩ましき現実を超えて

PTA本では珍しいポジティブなPTA参加録。 PTAの「強制加入問題」に疑問を持つ身でありながらPTAを高く評価していることは特筆に値する。ヒエラルキーのない横並びの組織、ボトムアップ型の構造など、実態はさておき理念としては賛同するのは理解できる。また、社会的な立場を超えて成立する共同体が貴重な機会だというのもよく分かる。それでも、 現状のPTAの 義務・強制・負担の原因となっている「強制加入問題」を解決し自由な入退会を実現した上でPTA上手く活用していこうという論はやはり楽...
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おおたとしまさ, 受験と進学の新常識 いま変わりつつある12の現実

受験をテーマにしているが、小手先の受験テクニックではなく、もう少し広い視点で現代の教育や学力を扱っている。最難関校以外も含めて、進学の選択肢が一望できるのも良い。 思考コードなどの新しい学力の評価軸や、それを踏まえた大学入試改革が掴めるのもポイント。
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植田和男, 大学4年間の金融学が10時間でざっと学べる

見開きごとに一つのキーワードを解説する形式で気軽に読める。金融の基本から金融政策まで一通りカバーされているのも良い。内容も真っ当で、教科書としてもお勧めできる。