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トーマス・H・ダベンポート(著), ジェーン・G・ハリス(著), ロバート・モリソン(著), 村井章子(訳), 分析力を駆使する企業 発展の五段階

膨大なデータの分析や活用をテーマとしているが、"ビッグデータ" の様なbuzzwordに踊らされることなくきちんと地に足がついている。本書で一貫して主張されるのは分析力を高め活用するには企業を挙げての取り組みが必要であるという点。成功に必要な要素として挙げられるDELTA (Data, Enterprise, Leadership, Target, Analyst) の実現に向けたステージごとの進め方も非常に参考になる。データ分析に携わる人はもちろん、意思決定にデータを活用し...
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木下是雄, 理科系の作文技術

文章術の古典とも言える本。学生時代に一度読んでいるが、思うところがあり再読。学生時代と異なり、それなりの量の作文をこなしてきた今に読み返すと沁み入る部分が多い。ワードプロセッサの普及前の著作であり、手書きを前提としている箇所などやや時代を感じる箇所もあるが、その他の部分は全く古くなっていない。現代でも版を重ねているのにはやはり理由がある。理工系の人間は必読。
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リクナビNEXT Tech総研(編集), 我らクレイジー☆エンジニア主義

リクナビNEXTの同名の連載からよりぬきして単行本化したもの。直接役に立つようなtipsがあるわけでも、自己啓発本のように明確な指針を与えてくれるわけでもないが、読み物として抜群に面白い。その上、エンジニアや研究者など技術に携わる人ならば間違いなく元気になれる。
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満員電車がなくなる日 鉄道イノベーションが日本を救う

満員電車の歴史と、満員電車をなくすための方策の提言。提案されている運行方法のイノベーションは素人目にはリスクが高まりそうに見える箇所がある。例えば、コストダウンのために無線LANをこの種の基幹で利用するなど、通信屋としては非常に怖い。一方で、戦略的プライシング等の運賃のイノベーションは非常に興味深い。社会的批判さえ乗り越えられれば十分に実現性があるものと思われる。
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ヴィトルト・リプチンスキ(著), 春日井晶子(訳), ねじとねじ回し この千年で最高の発明をめぐる物語

"この1,000年で発明された最高の道具" をテーマに調査を進めるうちに、次々とねじの歴史の深みに嵌っていく様子は上質の推理小説の趣。強いて欠点を挙げると、工具の歴史に詳しくない人間には少々図版が不足しているように思える。門外漢には文字だけでは想像がつかない部分がある。
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佐藤竜一, エンジニアのためのWord再入門講座 美しくメンテナンス性の高い開発ドキュメントの作り方

きちんと構造化された大規模文書を作成するための指南本。Wordの入門書は数あれど、スタイルやフィールドを使いこなすための本は珍しい。チームでドキュメントを管理するための方策が示されているのも良い。例示されているデザインがいかにもエンジニアが作りましたという漢らしいものなのはご愛嬌。
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岡本隆史, 武田健太郎, 相良幸範, Gitポケットリファレンス

Gitのリファレンス本だが、ただのリファレンスに止まらず、実践的なbranchの切り方などの情報が豊富なのが嬉しい。リファレンスの各項も非常に実用的な内容で、よく遭遇するエラーがきちんと網羅されている。巻頭のチートシートも良い出来。Gitをこれから使い始めようという向きには間違いなくおすすめできる。
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Thomas A. Limoncelli(著), 株式会社クイープ(訳), エンジニアのための時間管理術

O'REILLYブランドのタイムマネージメント本。O'REILLYだけあって、対象読者はエンジニア。特にシステム管理者。画期的な管理法が語られているわけではないが、時間管理に関するTIPS集としてはなかなかの内容。エンジニア向けということもあり、コンピュータによる作業の自動化に少々ページを割いているのが特徴的か。スマホ普及前の2006年初版の本なので、PDAの記述がやや古いのはご愛敬。
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Lepton, きれいなコードを書くための鉄則

コーディングルールに関するネタを中心としたプログラミング雑学本。内容はやや初心者向け。ソースコードの例も豊富なので、学習用には良いと思われる。ややjavaに偏っており、プログラミング一般というよりはjava特有の問題も含まれているので注意。
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西尾泰和, コーディングを支える技術 成り立ちから学ぶプログラミング作法

現代のプログラミング言語で使われている各種の技術がどのように生まれてきたのかを歴史的な経緯から追っていく。最新の言語仕様だけを見ているとなぜこのような形となっているかわかりにくい機能も、どういった問題点に対する解決策として生まれてきたかを含めてみると腹落ちする。年配のプログラマからすると常識的と思われる様なことも多いが、それだけにわざわざ一冊の書籍としてまとめられているのは貴重。最新の言語からプログラミングの世界に入った人にはぜひ読んでもらいたい一冊。おすすめ。