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ダン・S・ケネディ(著), 金森重樹(監修), 池村千秋(翻訳), 常識の壁をこえて

読むととりあえず出来る気にはなる本。著者の自慢話がうっとうしく感じるところもあるけれど。 "「クリエーティブであるべし」のウソ" という項目だけは素直に共感できた。自分は研究職の端くれという、多少なりとも "クリエーティブ" であることを求められる職についているが、それでも本当に "クリエーティブ" な作業というのはあまり多くない。仕事の大半はあたりまえの事を確実にこなすことで、それが僅かな "クリエーティブ" な作業よりも遙かに大事だと感じる。
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藤原和博, 小川洋子, 世にも美しい数学入門

最近は工学的な仕事ばかりで数学からは離れてしまっている、そんな私に数学の美しさというものを思い出させてくれた。 対話形式でサクサク読める上、特に数学の前提知識なしでも楽しめるのでお勧め。
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西原理恵子まとめ読み

最近追いかけていなかったりえぞお先生の本をまとめ読み。 この3冊はほとんどがギャグ作品だが、一つだけ例外。に収録の "うつくしいのはら" に不覚にも涙した。 ギャグ漫画の合間に、さりげなくこの作品を放り込める西原先生はやっぱりタダモノではない。
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小倉千加子, 結婚の条件

現在の結婚難、またそれが引き起こす少子化現象について、女性の生の声を中心に語られる。特に女学生の生の声が (収集の段階で大きくバイアスがかかっているにしろ) 多数おさめられているのはおもしろい。 エッセイ形式なので、あまり数値的な裏付けは触れられない。実例やインタビュー、雑誌へのツッコミを中心に語られるので、あまり厳密さを期待せずに読み物として楽しむべき本。 とはいえ、内容的には実感しているものと近い部分も多々ある。特に本書全体を通じて、表現を変えながら繰り返し語られる、 少...
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土屋賢二にハマってみる

くだらないといいつつ、つい読んでしまう。でも、読み終わった後、あまり損をした気分にならないのが土屋先生のすごいところ。
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土屋賢二, われ笑う、ゆえにわれあり

一冊まるまる屁理屈と高度にひねた笑いとが続く。じつにくだらない (褒め言葉) 。いわゆる読者を選ぶ本なのだが、わかる人には絶対のお勧め。 ……哲学者って、みんなこんな人なのか?
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日垣隆, それは違う!

日垣隆氏が、あの「買ってはいけない」批判で名を上げた一冊。 「買ってはいけない」批判に加え、環境ホルモン、ダイオキシンといった、環境問題に関するある種ファッショ的な風説を切りまくる。それらの問題をただ頭ごなしに否定するのではなく、きちんと資料の原典にあたる科学的な姿勢をもって検証している点は評価できる。 ただし、まれに冷静さを失ったり、挑発的な発言を行うところは少々いただけない。本書でも一章を割き「諸先輩からの罵詈雑言集」として、他者からの (レベルの低い) 反論に対していち...
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吾妻ひでお, 失踪日記

吾妻ひでお先生が、自身の失踪、ホームレス、自殺未遂、アル中と転げ落ちていった体験を漫画で綴る。テーマがテーマだけに悲壮な内容となってもおかしくないところを、ほとんどギャグ漫画にしてしまうところが吾妻先生のすごいところ。 所々に、窃盗を思わせる表現がみられたりアレなところもあるが、そこさえ目をつむればお勧め。
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日経バイト編, ソフトウェアの匠

豪華執筆陣によるソフトウェアに関する各分野の解説集です。一話が20ページ強で完結しているのでお気軽に読めて、ためになる (気がする) 、ちょっと得した気分になる本です。 個人的にツボだったのは八幡勇一さんのキーボード論です。タイプライタに始まるキーボードの歴史がまとめられています。テレックスやメインフレームのインテリジェント端末を体験していなる世代には自明のことも多そうですが、私のようにワープロ・マイコンあたりからキーボードに触り始めた人間がその歴史をかいつまんで知るのにはお...
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先崎学, 小博打のススメ

博打打ちとして有名な棋士、先崎学八段によるです。 まえがきからして 「悪法も法なり」とはいうが、今の日本において賭博を禁じた法律ほどの悪法はないだろう と絶好調です。その言葉通り、賭博について堂々とポジティブに語っています。ステキです。 扱っている種目は、麻雀からサイコロ、カード、手本引きまで幅広く、それぞれについて簡単なルール解説と各種目の醍醐味が語られています。