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久住昌之, 食い意地クン

久住さんお得意の食エッセイ。新味はないが、安定した面白さ。今回は泉晴紀さんではなく本人自ら (おならブー太名義で) 挿し絵や装丁も手がけているが、これもヘタウマ系でなかなか。
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遠藤秀紀, ニワトリ 愛を独り占めにした鳥

ニワトリの産業的な位置付けを枕に、セキショクヤケイに始まるそのルーツを追う。雑学的な意味で面白いのが、意外と知られていない現代のニワトリの産業的価値。経済的な競争力を得られる様に改良され尽くした採卵鶏は生後160日後から年間300個のペースで産卵し、肉用鶏に至っては生後わずか50日で3kg台半ばに達する。しかしながら、そのニワトリの原種のセキショクヤケイの性質は到底家禽に適したものではなく、どの様な動機で家禽化が進められたかが本書の興味となる。その推論過程は知的好奇心をそそる...
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新開省二, 50歳を過ぎたら「粗食」はやめなさい! 「低栄養」が老化を早める

著者は疫学の専門家。その観点からは、粗食中心の高齢者よりも栄養十分な食事を取り活動的な生活をしている高齢者の方がむしろ健康長寿を保っている。この結論は当たり前と言えば当たり前なのだが、粗食の健康イメージを刷り込まれているとその当たり前を見失いがち。
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西川潤, データブック 食料

食料をテーマにした冊子だが、農業と畜産がほぼ全てを占めており、水産はほんの付け足し程度。また、全体的に悲観的なトーンに偏っている点や、現代の農業とは切り離せない経済の問題も申し訳程度にしか触れられていないのがやや難。それでも、世界の農業を俯瞰できる内容となっており、トンデモ度も低めで資料も充実しているので、この分野を学ぶ一冊目として読むには悪くない。
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久住昌之(原作), 水沢悦子(漫画), 花のズボラ飯

久住昌之の新作。掲載誌のEleganceイブを店頭で見たことがないので単行本で一気読み。絵柄は今までコンビを組んできた漫画家とは毛色が違い好き嫌いが分かれそうではあるが、中身はいつもの久住昌之。主人公の台詞を見ていると、まるで自炊の出来る女井之頭五郎。
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泉昌之, 食の軍師

最近の久住昌之は谷口ジローや水沢悦子にも原作を提供して仕事の幅を広げているが、やはり泉晴紀とのコンビは別格。特に本作は初期作品の "夜行" を思わせるようなディテールに凝った作品で、自然と笑いがこみ上げてくる。
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ナゴミ, おいしそうな女になってやる!

ナゴミ・レコードのナゴミさんの単行本。食事改善によるダイエット本なのだけど、必要な分だけをバランス良く食べましょうという王道的内容で、トンデモ分はほとんど無し。元々栄養学に詳しい人や食に関心の高い人が新たな情報を得られる様な本では無いが、今まで無頓着だった人は読んでも損はない。
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豊田徹也, 珈琲時間

頂き物を予備知識なしに読み始めて、"アフタヌーンとかに載ってそう" と思っていたら、本当にアフタヌーンの連載だった。何というか疑いなくオサレなのだけれど、面白いかと訊かれると自信を持って答えられない。
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雁屋哲. 花咲アキラ, ビッグコミックスピリッツ特別編集, 美味しんぼの料理本

美味しんぼのレシピを実際に作ってみました、という本。美味しんぼ全盛期の10巻頃までのレシピがほとんどなく、近頃の惰性のものが中心なのが少し惜しい。
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服部直美, 世界のお弁当 心をつなぐ味レシピ55

世界各国 (と言っても著者の詳しいアジアがほとんど) のお弁当の表面をなぞったような本。着眼点は悪くないだけに、もう少し食文化を深掘りできたらとは思う。旅雑誌的に写真を眺めて楽しむだけなら悪くない。