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アンドリュー・パーカー(著), 渡辺政隆(訳), 今西康子(訳), 眼の誕生 カンブリア紀大進化の謎を解く

カンブリア爆発の原因は眼の誕生にあったとする説。聞いてしまえば当たり前に思えるが、そこがコロンブスの卵と言えるところだろう。その当たり前の結論に辿り着くまで、少しづつ外堀を埋めていくような構成が見事。上質の推理小説を読んでいるような印象を覚える。翻訳の質もよく、一気に読みきってしまった。おすすめ。
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水木しげる, コミック昭和史 (第8巻) 高度成長以降

長かった昭和もようやく終りを迎える。日本では戦争の影は薄くなり高度成長期を迎えるにつれ、水木のマンガ家としての生活や様々な空想の比重が高くなってくる。そんな中で、数回に渡るラバウル再訪と "南の人" との奇妙な交友は、嫌でも戦争を思い出させ、戦争が水木に与えた影響の大きさを思い知らされる。
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水木しげる, コミック昭和史 (第7巻) 講和から復興

戦後の昭和30年代から40年代にかけて。ようやく戦争の影が消え、落ち着いた空気が漂い始めた。水木も紙芝居屋から貸本マンガ家へと流され、そこに重ねて結婚などのイベントが目白押し。自伝としてみると、一番面白い時期かもしれない。
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夏坂健, 美食・大食家びっくり事典

主に西洋史と中国史の食に関するエピソードを集めたもの。いかにもな法螺話も多いが、それが良い味を出している。出典や参考文献などと野暮なことを言ってはいけない。
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安島太佳由, 日本戦跡を歩く

日本全国の戦跡を巡り写真を撮り続けた労作。特に掩体壕への愛は素晴らしい。現存している戦跡は全国に散らばっているため、なかなか気軽に見に行けるものが少ないのは残念。2002年の発行のため、幾つかは既に失われている点にも注意。
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北村賢志, 虚構戦記 研究読本

いわゆる仮想戦記でよく用いられるIFを批判するという体裁。取り上げているIFの出処が不明な点が残念。どこまでが本当に仮想戦記で用いられたものなのかが検証できない。また網羅性も不明で、叩きやすいIFだけを取り上げているようにも見える。解説は自説に都合の良い事実のみを持ちだしているように思える部分があるものの、定性的には大筋は納得できる。
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水木しげる, コミック昭和史 (第6巻) 終戦から朝鮮戦争

ようやく終戦したものの、今度は戦後の混乱期。水木も生計を立てるべく、様々な仕事に手を染めていく。運命に流されながらも、絵を描くことだけは忘れなかった結果としてか、最後に紙芝居作家に流れ着くあたりに水木のたくましさを感じる。
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水木しげる, コミック昭和史 (第5巻) 太平洋戦争後半

太平洋戦争も佳境を迎え、水木二等兵の最前線も凄惨な状況となってくる。マラリアの羅患、理不尽な命令、逼迫する食糧事情など、多少コミカルに脚色されたマンガをもってしても見るに耐えない部分が増えてくる。
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押切蓮介, ピコピコ少年TURBO

ピコピコ少年の続編。相変わらず同世代で同じ様な生き方をしてきた人間には共感できる点ばかり。まだまだ続編を書く気が満々な様なので今後も楽しみ。
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佐藤勝彦, 眠れなくなる宇宙のはなし

宇宙に関する研究の歴史をまとめた啓蒙書。サイモン・シンの著作よりも易しめで、一冊目に読むにはおすすめできる。