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押切蓮介, ピコピコ少年

著者と同世代で完全にシンクロしてしまう。ゲームばっかりやっているダメ少年の自伝マンガなのだけれど、今思い返すと自分も負けないくらいダメ少年だった。
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小島英俊, 文豪たちの大陸横断鉄道

夏目漱石、永井荷風、里見弴、林芙美子、横光利一、野上弥生子といった文豪達が残した紀行文から当時の大陸横断鉄道の様子を辿ろうという企画本。面白くないわけがない。
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沖浦和光, 幻の漂泊民・サンカ

日本の山中で漂泊生活をしていたサンカの起源に関する調査書。柳田国男の唱えたロマン溢れる先住民起源説に反論し、近世後期の貧窮民が山に入りサンカ (山家) になったという説を提唱する。もっとも、サンカの歴史が比較的浅く、近世以前に存在しなかったという証明は悪魔の証明となるのでやはり難しい。調べた限りではこの時代の文献にサンカに関する記述が見あたらない、といった歯切れの悪い書き方になってしまうのは仕方のないところ。サンカ研究をする上では避けて通れない三角寛の著作の検証も面白い。膨大...
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上村一夫, 菊坂ホテル

かつての本郷菊富士ホテルを舞台に、竹久夢二、谷崎潤一郎を中心とした文人達を描く。上村の描く女性の艶っぽさは出色。
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中野京子, 危険な世界史

怖い絵の著者による世界史の小ネタ集。世界史と言いつつほぼ全てが19世紀頃の西洋史だったり、怖い絵シリーズの内容と被るネタが多かったりするのはご愛敬。
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中沢新一, 古代から来た未来人 折口信夫

折口信夫全集を読む根性のない私にとっては嬉しい入門書。よく聞く折口信夫のキーワードである "まれびと" 、"ムスビ" などの概念がきちんと押さえられていて、この道の素人にもわかりやすい。
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爆笑問題, 日と米 爆笑問題の日本史原論

さらっと読めるのは良いのだけれど、本題と関係なさ過ぎるボケが多くちょっと辟易する。章間の関連書籍の紹介が地味に良いが、こちらはライターの田中聡の手に依るもの。
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黄文雄, 満州国は日本の植民地ではなかった

台湾人の著者による著作で、親日反中という思いが強く出すぎているがために自虐史観に染まった人には叩かれそうなところが多いが、主張は一応の筋が通っている。
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玉村豊男, 世界の野菜を旅する

野菜の歴史書でもあり、エッセイでもあり、旅行記でもある不思議な本。著者の教養がそこかしこから滲み出ており、とにかく知的興味をかき立てられる。
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中野京子, 怖い絵3

このシリーズもついに完結編。シリーズを通じて、絵画の見方が学べたのは有意義だった。現代芸術はともかくとして、近代以前の絵画はきちんと時代背景を学ばないとその本当の怖さは分からない。