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武士の献立

武士の献立。加賀藩の包丁侍という美味しい題材ながら、映画としては今ひとつ。最後まで悪役の顔が見えず、映画としてのカタルシスがあまり感じられない。肝心の料理も見せ場の饗応料理が駆け足過ぎて楽しめない。
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超高速! 参勤交代

湯長谷藩の参勤交代をテーマにしたコメディ作品。超高速! 参勤交代。歴史作品としてはいろいろとアラはあるのだろうが、娯楽作品として見ればアイディアもアクションも文句なしに面白い。強いてあげるなら無理にラブストーリーを押しこむ必要はなかったのではないかとは思う。
comic

白正男(作), 山戸大輔(画), テコンダー朴

嫌韓系褒め殺しマンガ。手縛図の万能ぶりなどの小ネタも満載で元ネタさえわかれば楽しめるがややクドいか。
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前田尋之, 家庭用ゲーム機興亡史

各ゲーム機の技術的な深掘りはせずに、マーケティング的な立ち位置での解説が主。全体として浅めな作りで、構成も単に年代順に区切ってあるだけで独自の視点は感じられない。
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中野純, 「闇学」入門

闇を歩くの頃から注目していたが、ついに "闇学" を標榜するまでに昇華させてきた。素朴な闇歩きの楽しさを語るだけではなく、日本人と闇との歴史的な関わりまで深く切り込む内容は素直に脱帽。
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ヘンリー・ペトロスキー(著), 池田栄一(訳), 本棚の歴史

フォークの歯はなぜ四本になったかのヘンリー・ペトロスキーが扱っていたもう一つのテーマは何と本棚。現在ではあまりに当たり前過ぎて視界に入らない本棚だが、この形が確立するまでには本の形とともに様々な紆余曲折を経てきた。本の形、本の社会的な位置づけ、読書スタイルの変化が相互に絡み合って変化していく様子はエンターテイメントとしても素晴らしい。おすすめ。
comic

谷口ジロー(作画), 古山寛(原作), 柳生秘帖 柳生十兵衛 風の抄

1990年代前半の作品の新装版。文庫ではなく大判で読めるのがうれしい。歴史モノではあるが、かなりエンターテイメント寄り。谷口ジローの数少ない時代劇だが、これも味があって良い。
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パオロ・マッツァリーノ, 「昔はよかった」病

パオロ・マッツァリーノの新刊。今回の標的は、捏造されがちな庶民文化史の捏造。戦前戦後の新聞を中心とした資料で説き伏せていく姿は痛快。
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原田実, トンデモ日本史の真相

トンデモ説の中でも日本史に注目した一冊。源義経 = チンギス・ハーン説から竹内文書まで、主要な奇説はほぼカバーされている印象。解説も丁寧なので、この分野の初心者でも楽しめる。
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磯田道史, 武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新

"金沢藩士猪山家文書" を読み解き、加賀藩の御算用者であった猪山家のお金の流れを見事に解明した仕事。史学的な成果の大きさはもとより、読み物としても秀逸。2010年の映画化に至ったのも、この臨場感の高さによるところが大きいのだろう。