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茨木保, がんばれ! 猫山先生 (2)

がんばれ! 猫山先生の続編。相変わらず医師のリアルな内情が見られて興味深い。 ところどころ、時事ネタが風化しているのが残念か。
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八雲星次, 職業治験 治験で1000万円稼いだ男の病的な日々

高額バイトの話題でよく名前が上がるものの、その実態があまり知られていない治験。それを生業としている男の手記。 とにかく楽をしたいという理由で治験生活を続けているという告白は素直過ぎてむしろ好感が持てる。一方で、厳密に科学的な手順が求められるはずの治験の末端は、かなり危ういところで成り立っているのもよく分かる。
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武田一義, さよならタマちゃん

精巣腫瘍 (睾丸癌) の闘病マンガ。 一見ふざけたタイトルとコミカルな絵柄ながらあまり笑いはなく、闘病生活のリアルが淡々と描かれる。家族や職場の人間も良く描かれており、闘病生活における人間の繋がりのありがたみが伝わってくる。
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鶴見済, 完全自殺マニュアル

20年ほど前に物議をかもした一冊。 この本が引き起こした社会的な影響などの問題はさておき、読み物としては非常に知的好奇心をそそられる内容。ところどころ信憑性が怪しい情報もあるが、内容が内容だけに裏が取りにくいのでしかたのないところだろう。
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吾妻ひでお, 失踪日記2 アル中病棟

失踪日記の続編。 ギャグマンガ仕立てとなっているので気楽に読んでしまうが、立ち止まって考えると非常に重い内容であることに気付く。ドキュメンタリとしてもマンガとしても見事な出来。おすすめ。
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クリストファー・ウィルズ(著), 近藤修(訳), 暴走する脳 脳の進化が止まらない!

ミトコンドリア・イヴにはじまる人類の進化史を脳に着目して追った科学啓蒙書。 脳の進化の歴史を扱っているものの、進化論一般の解説が多く、予備知識のある向きにはやや退屈かもしれない。特に後半は中立進化説やその理解のために必要な基礎知識に多くのページが割かれており、教科書を読んでいる気分になってくる。
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北岡明佳(監修), 錯視完全図解 脳はなぜだまされるのか?

フルカラー大形本で、様々な錯視を心行くまで楽しめる。収録されている錯視も、動く錯視から形の錯視、だまし絵まで幅広い。 科学的な解説は控え目なので、あくまでも錯視を楽しむための本。
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中川基, ニセモノ食品の正体

インジェクションビーフや代用魚など、偽装食品とまでは言わないまでもホンモノとは言い難い様な食品を集めたカタログ本。 解説は中立的で、この種の本にありがちな "添加物=悪" といった短絡的な思考や無意味な自然信仰などはほとんど見られない。ニセモノ食品の長所である破棄の削減やコスト低減と短所である栄養バランス等の問題の双方がきちんと押さえられており、好感が持てる。
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グレッグ・クライツァー(著), 竹迫仁子(訳), デブの帝国 いかにしてアメリカは肥満大国となったのか

装丁は軽めだが内容は硬派。 米国が肥満社会となるまでの過程を、農業行政、ファストフード業界、食品業界、教育界と多くの視点から丹念に追いかけていく。現状に至った要因は単一のものではなく、様々な原因が絡まり合っていることがよく分かる。肥満のリスクに関する記述も十分。
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マーサ・スタウト(著), 木村博江(訳), 良心をもたない人たち 25人に1人という恐怖

米国では人口の4%を占める (アジアではこれよりもだいぶ少ない) と言われるSociopath/Psychopathの実態。 心理セラピストとしての経験から得られた実際のエピソードを基にしており、Sociopath/Psychopathの行動原理が非常によく分かる。また、彼ら/彼女らに振り回されないための13のルールも実に興味深い。