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長沼伸一郎, 現代経済学の直観的方法
現代経済学と銘打っているが中身はほぼマクロ経済学で、ミクロ経済学はほぼ触れられない。それでも、古典派経済学とケインズ経済学の基礎を大づかみするという目的だけに絞れば良書といえる。それぞれの経済学の生まれた時代背景も添えられているのもわかりやすい。最後の第9章のみは既存経済学の解説から離れて自説を展開しており、他の部分とだいぶ毛色が異なるので注意が必要。著者の専門である物理学の縮退や囲碁の概念を用いて経済を説明しようという試みは面白いが、別の著作で展開するべきだったと思う。