book 佐藤弘幸, 富裕層のバレない脱税 「タックスヘイブン」から「脱税支援業者」まで 著者は国税局資料調査課に所属していたことをこれでもかと強調しており、古巣への強い愛着を感じる。脱税と租税回避を一緒くたにして語り、その上で明らかに合法と思われる租税回避を悪者扱いというのは理解に苦しむが、これが国税局の内部の人間の本心なのだろうと思う。 2019-07-22 book
book 三輪鉄郎, 賢いサラリーマンのリタイア準備術 定年まではこう過ごす! 定年退職時のお金の処理で失敗しないためのtips集。ライフプランの作り方から家計の見直し方法まで一通り学べる。定年退職が見えてきた方が見落としがないかをおさらいするのに適している。 2019-07-16 book
book 三戸政和, サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門 タイトル通り、個人M&Aを推奨する本。なにもないところから会社を立ち上げるゼロイチ起業で成功するのは難しいため、10年生き残って軌道に乗っている企業を個人でM&Aすることを勧めている。ただし、著者はM&Aコンサルを生業にしている以上、どうしてもそのバイアスがあるので注意が必要。 内容は頷ける部分も多いが、 中小企業は最新モデルを知らないと断言するなど、中小企業をどこか見下しているような物言いが気になる。また、内情をよく知っているはずの従業員が引き継がずに後継者が不足している理... 2019-07-13 book
book 加谷珪一, お金は「歴史」で儲けなさい お金の歴史を学ぶことで、より高い確度で儲けていけるという主張。日本株130年の超長期チャートは新鮮。米国では長期の分析があるが、日本株の分析は珍しい。著者によるとこの130年間は年間平均7%の株価上昇を記録しており (配当金の扱いやインフレ補正の詳細は不明)、米国からは劣後する。日本企業に投資するならば米国の市場拡大の恩恵を受けられる企業を選ぶべき。ハイパーインフレの歴史も興味深い。ドイツのハイパーインフレでは、為替、金、物価、不動産、株価の順で価格が上昇した。株価は案外に動... 2019-06-10 book
book 堀江貴文, 儲け方入門 100億稼ぐ思考法 見開き2ページを一項目として要点のみを書くスタイルは実に堀江貴文らしい。初めて氏の著作を読む方にはもう少し補足が必要だと思うが、背景がわかっている人にはこれで必要十分だろう。ビジネスのヒントも惜しみなく公開されている。その中で、利益率が高くて元手がかからないことをやるというのは他の多くの起業家たちの意見と共通している。例えば、プッシュカートビジネスが勧められているのと本質は同じ。 2019-06-06 book
book 川村元気, 億男 小説仕立ての自己啓発マネー本。2014年に映画化もされている。お金との付き合い方や幸せな人生を考えるヒントが散りばめられている。充分なお金を得ることで欲が奪われてしまう気持ちは良く理解できる。 2019-05-20 book
comic 高田かや, お金さま、いらっしゃい! お金を徹底して排除したカルト村の価値観を引きずっているのが他のマネー本とは一線を画している。それだけに、見ていてハラハラするところが多いが。ご主人とそのご実家がかなりお金にルーズなところも将来が心配になってしまう。 2019-04-13 comic
book 田渕直也, 投資と金融にまつわる12の致命的な誤解について デリバティブ出身の著者による投資と金融のガイドブック。投資のヒントや今までの常識を見直すきっかけが詰まっている。効率的市場仮説は完全に成り立つものではなく心理バイアスによって歪められているが、ほとんどの人は市場の不合理性を突いて勝つことはできない。ファンダメンタルズ分析も万能ではなく、株式アナリストが推奨する銘柄が取り立てていいパフォーマンスを残している証拠はない。テクニカル分析 (チャート分析) で将来を見通すことはできないが、投資アイディアを引き出すためには有効。また、自... 2019-04-08 book
book スコット・A・シェーン(著), 谷口功一(訳), 中野剛志(訳), 柴山桂太(訳), 〈起業〉という幻想 アメリカン・ドリームの現実 華やかに見える米国のスタートアップも、その実態は大きく異ることをデータで示している。米国はそもそも起業が盛んなわけではなく、その起業もハイテク産業ではなく建設業や小売業などの枯れた業種が中心。起業の動機も、世界を変えるという華々しいものは少数派で、他人の下で働きたくないという理由が多い。起業した結果、雇われていたときよりも長時間労働かつ低収入に陥っていることも多い。それでも、起業自体が幸福度を挙げることにつながっているのは救い。他人のために働くよりも自分のために働いたほうが幸... 2019-03-23 book
book 架神恭介, 至道流星, リアル人生ゲーム完全攻略本 "人生" という名のネットゲームの運営者視点でその攻略法を解説するスタイル。構成は目新しく、運営者の掛け合いも楽しめるが、内容はやや薄め。マネー本をある程度読んでいる層にはあまり目新しい話はないかもしれない。また、天地創造から現代まで全世界の人類史を俯瞰できる神の視点でありながら、後半はほぼ現代日本に限定された話になってしまっているのも残念。 2019-03-06 book