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高田かや, お金さま、いらっしゃい!

お金を徹底して排除したカルト村の価値観を引きずっているのが他のマネー本とは一線を画している。それだけに、見ていてハラハラするところが多いが。ご主人とそのご実家がかなりお金にルーズなところも将来が心配になってしまう。
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田渕直也, 投資と金融にまつわる12の致命的な誤解について

デリバティブ出身の著者による投資と金融のガイドブック。投資のヒントや今までの常識を見直すきっかけが詰まっている。 効率的市場仮説は完全に成り立つものではなく心理バイアスによって歪められているが、ほとんどの人は市場の不合理性を突いて勝つことはできない。ファンダメンタルズ分析も万能ではなく、株式アナリストが推奨する銘柄が取り立てていいパフォーマンスを残している証拠はない。 テクニカル分析 (チャート分析) で将来を見通すことはできないが、投資アイディアを引き出すためには有効。また...
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スコット・A・シェーン(著), 谷口功一(訳), 中野剛志(訳), 柴山桂太(訳), 〈起業〉という幻想 アメリカン・ドリームの現実

華やかに見える米国のスタートアップも、その実態は大きく異ることをデータで示している。 米国はそもそも起業が盛んなわけではなく、その起業もハイテク産業ではなく建設業や小売業などの枯れた業種が中心。起業の動機も、世界を変えるという華々しいものは少数派で、他人の下で働きたくないという理由が多い。起業した結果、雇われていたときよりも長時間労働かつ低収入に陥っていることも多い。 それでも、起業自体が幸福度を挙げることにつながっているのは救い。他人のために働くよりも自分のために働いたほう...
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架神恭介, 至道流星, リアル人生ゲーム完全攻略本

"人生" という名のネットゲームの運営者視点でその攻略法を解説するスタイル。 構成は目新しく、運営者の掛け合いも楽しめるが、内容はやや薄め。マネー本をある程度読んでいる層にはあまり目新しい話はないかもしれない。また、天地創造から現代まで全世界の人類史を俯瞰できる神の視点でありながら、後半はほぼ現代日本に限定された話になってしまっているのも残念。
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村上世彰, 生涯投資家

その物言いで批判を受けることも多い著者だが、本書を通読すると、その思想が一貫していることがよく分かる。 本書で繰り返し述べられているのは、日本の上場企業の内部留保が多く、ROEを低下させていること。新しい事業にきちんと投資できないのならば、自社株買いや配当で株主に還元することが経済を回すことになるという思想には強く共感できる。
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出口治明, 働く君に伝えたい「お金」の教養

聞き手付きの講義スタイルのマネー本。 基本的なお金の知識やマネープランの話はあまり新味がないが、お金の使い方と保険の話は含蓄がある。体力と気力がある時期にお金と時間を使うほうが、ずっと濃密な体験ができる。ライフステージ別のオススメ保険リストは、最低限の保険を考える上で参考になる。もっとも保険が必要となる子どもありの家庭であっても、就業不能保険と教育費分の死亡保険があれば充分なことが多い。
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森博嗣, 作家の収支

著者本人の作家としての収入をまとめた本。作家一般の話は原稿料や印税率の相場くらいで、作家の中でもかなり特殊な執筆活動を行っている著者の事例が大半のため、作家の収支というよりは森博嗣の収支といったほうが適切。 著者の収支を支えていたのは、やはりその多産にある。 原稿用紙20枚/時間をコンスタントに出力し、19年間で280冊の著書を生み出したのが何よりも大きい。単に各著書の売上が立つだけではなく、著者買いの相乗効果を生み出せている。
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大江英樹, 定年楽園

いわゆるリタイア本で、やや自己実現に重きを置いたタイプ。 日本文化の多くが隠居した人々の手によるものであることを引き合いに出し、定年は好きなことが思う存分できるチャンスと説く。やりたいこと、能力を活かせること、世の中の役に立つことを原理原則とした自身の定年後起業の紹介もあり。
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cis, 一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学

cisの初めての著作。福地誠の企画らしい。 cisが決してジャンケン大会の勝者などではなく、勝つべくして勝っているということがよく分かる。たまたま投資の分野で成功しているが、他の多くの分野でも成功できたのではないかと思う。 ”日経平均を動かせる男” は誇張ではない。そんな本人がメディアの解説を 全然僕の思惑と違うことを勝手に想像して話している と評しているのは興味深い。 本人の自伝や投資哲学が中心だが、いくつか具体的な投資方法のアイディアも含まれている。 値嵩株の日経平均組み...
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内山直, 幸せの確率 あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ

著者はすでに アーリーリタイアを実践している元医者。 アーリーリタイアではやはりお金の話は避けて通れない。本書も多くの部分を貯蓄や資産運用に割いている。とはいえ、最後はやはり気の持ちようになるのだろう。出所不明のアンケート結果ではあるが、「どのくらいの資産があれば安心で満足か」という質問に多くの人が実際に持っている資産の倍額を答えるというのはさもありなんと思う。