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さとうやすゆき, お金の不安が消える本

お金の具体的な話はなく、精神論ばかり。ネタ元は松下幸之助が多め。ページ数も内容も薄く、特に著者のファンでもない限り読む必要はないだろう。
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本多静六, 私の財産告白

戦前の林学博士にして倹約と投資で一財産を築き上げた本多静六の告白。時代は変われど、財産を築き上げるための基本はそう変わるものではない。本多は、通常収入の四分の一を天引きで貯金する本多式「四分の一」貯金で貯めた資金を投資するというまさに王道を行った。さらに本書の特筆すべき点は、財産の処分方法という難題とも格闘しているところ。85歳を迎えた本多が辿り着いた結論は、「児孫のために美田を買わず」。また、若い頃は「若いうちに勤倹貯蓄、慈善報謝、陰徳を積み、老後はその蓄積と陽報で楽隠居す...
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橘玲, 橘玲の中国私論 世界投資見聞録

中国に乱立する "鬼城" の訪問記に始まり、その鬼城を生むこととなった錬金術の話題を経て、中国史から中国人の自我までを語る。"私論" と付いている通りやや強引な解釈もあるが、一気に読ませる力はある。
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鈴木大介, 最貧困女子

家族の無縁、地域の無縁、制度の無縁からなる三つの無縁と、精神障害、発達障害、知的障害からなる三つの障害のうち多くを抱えて貧困に陥っている女性たちを描いたドキュメンタリ。ただひたすら重い。
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後田亨, 大江英樹, 生命保険の嘘 「安心料」はまやかしだ

いわゆる民間生命保険の不要論。著者は日本生命出身で、乗り合い保険代理店を経て現在は社団法人の代表。この種の生命保険不要論に興味のある人ならば新しい情報は少ないかもしれない。それでも本としてはよくまとまっているので、一冊目には悪くない。少々強引なところがありながらも行動経済学的な解説で味付けしてあるのが類書との差別化ポイントか。
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磯田道史, 武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新

"金沢藩士猪山家文書" を読み解き、加賀藩の御算用者であった猪山家のお金の流れを見事に解明した仕事。史学的な成果の大きさはもとより、読み物としても秀逸。2010年の映画化に至ったのも、この臨場感の高さによるところが大きいのだろう。
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加藤純子, 超高層マンション、暮らしてみれば……

児童文学作家がタワーマンションに住んだ記録をエッセイ形式で。あまり不動産業界に縁がある方でもなさそうなので、素直な居住者目線と見て良さそう。本書が出版された2002年のさらに14年前に住みはじめたとのことなので、タワーマンションの最初期組にあたる。そのため、技術的なところは今では改善していそうな部分も多い。それでも、高層故の風の強さなどの本質的な問題は今でも参考になるだろう。
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鈴木みそ, ナナのリテラシー (3)

シリーズ完結編。唐突な終わりに驚きつつあとがきを読むと打ち切りとのこと。みそ吉先生の出版社化など未回収のネタが残っているのは残念。今回の柱となっている表現問題への切り込みはさすが鈴木みそといったところ。娯楽作品として成立させながらも、問題から目をそらさずに論じている点が素晴らしい。
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チャールズ・エリス(著), 鹿毛雄二(訳), チャールズ・エリスが選ぶ「投資の名言」

敗者のゲームのチャールズ・エリスの編纂する投資の名言集。もちろんパッシブ投資寄りのものが多いが、中にはダグラス・ベルモアの様にややアクティブ寄りのものも含まれているのが興味深い。
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宝島社編集部(編), コワ~い不動産の話 2

コワ~い不動産の話の続編。前作に引き続き良くも悪くも週刊誌的な内容なので、内容を自身で判断できる方はどうぞ。