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ジョン・ケネス・ガルブレイス(著), 鈴木哲太郎(訳), [新版] バブルの物語 人々はなぜ「熱狂」を繰り返すのか

バブルを引き起こす陶酔的熱病 (ユーフォリア/Euphoria) は繰り返し起こる現象であり、それから身を守るのは集団的狂気へ突っ走ることに共通する特徴の認識であるとと説く。それは具体的には、金融の天才の登場であったり、てこ (レバレッジ) の再発見であったり、何か新奇らしく見えるものであったりする。古典的なケースであるチューリップ狂やサウスシー・バブルでもこれらの特徴が見られる。本書は徹頭徹尾、警告の書として書かれている。金融上の記憶は高々20年程度 (新しい世代の人が舞台...
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卍, 馬券裁判 競馬で1億5000万円儲けた予想法の真実

内容は薄めで、予想法自体の話はほとんどなし。馬王を使っていることは明記されているが、その他は以下のような記述が見られる程度。今までの「強い馬を買う」という予想スタンスから、「過小評価されている馬を買う」という予想スタンスへ変化していきました。私は、休日を利用して数か月かけて、思いつく様々なファクターを検証し、最終的に約40のファクターを採用することにしました (これらのファクターに基づいてユーザ得点の計算式を補正することにしました)。裁判の過程の記述もあっさりしたもので、当事...
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合田真, 20億人の未来銀行 ニッポンの起業家、電気のないアフリカの村で「電子マネー経済圏」を作る

日本植物燃料株式会社を創設した合田真の自伝。細かいビジネスの話の前に、"新しいお金のものがたり" と称する新たな経済構造の仕組みを提案しているのが興味深い。歴史上散見される金利の禁止が、現代のような資源制約期 (原油生産量がピークを迎えている) では合理的だと論じる。この思想が複利で稼ぐのではない収益分配型モバイルバンクのビジネス立ち上げにつながっている。
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新庄耕, 地面師たち

今作のテーマは地面師。明示的には書かれていないが、積水ハウスの地面師事件から着想を得たのだろうと思われる。膨大な取材を重ねたことを伺わせる細かな描写の数々は著者の真骨頂と感じる。登場人物の造形も素晴らしい。
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吉本浩二, 定額制夫のこづかい万歳 月額2万千円の金欠ライフ (2)

ついにあのステーション・バー村田が登場。ネットではこの怪人のインパクトばかりが喧伝されているが、こづかい0円男や書斎を失い車で過ごす夫など他の登場人物もなかなか。1巻からの異常なポジティブさも健在
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橘玲, 人生は攻略できる

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法や幸福の「資本」論を若い読者向けに焼き直したもの。人生の攻略ときいて最初に思い浮かぶお金や仕事の話を中心に、現代の進化論に基づく幸福になるための情報がコンパクトに詰め込まれている。すでに氏の著作を読んでいる読者には目新しい情報が少ないかもしれないが、初めて手に取る読者の一冊目としてはお勧めできる。
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ヤニス・バルファキス(著), 関美和(訳), 父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

ギリシャの元財務大臣による経済入門書。子供向けと言うほどやさしくはないが、大人が経済の歴史を整理するのには良いと思う。著者の予想する市場社会の未来図は興味深い。自動化、競争がコストを押し下げ、また自動化を進めるロボットは消費者ではないため需要をも押し下げる。その結果として価格が製造コストを賄えない水準まで押し下げられる。こうして起きる経済危機はマルクスの予想とも一致する。第二次世界大戦中の捕虜収容所で生まれた経済の事例も興味深い。腐らず長持ちし持ち運びが簡単でその魅力が共有さ...
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田村正之, 人生100年時代の年金戦略

かなりポジティブな年金解説本。年金のシステムに肯定的なこと自体は良いのだが、年金を擁護するために無理な理屈が見られるのはいただけない。例えば、厚生年金保険料の事業主負担分を無視し (事業主の視点から見れば加入者負担も事業主負担も人件費で変わりない)、その多くを加入者が支払っている税金からの支出もどこかから湧き出してきたかのように扱って、 "払った以上に多くもらえる" と述べるのは詭弁と感じる。またこちらも意図してかはわからないが、各種制度の良いところしか書いていないのも不親切...
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山崎俊輔, 大人になったら知っておきたいマネーハック大全

大全という大仰なタイトルだが小ネタが中心。節約ひとつとっても王道である固定費の削減にはほぼ触れず、変動費の削減ばかりを小手先でいじっている印象。昨今の流行を反映してか幸福度にも言及しているが、参考文献などはなし。
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長谷川高, 家を買いたくなったら 令和版

この分野のロングセラー本の改訂版。最近の住宅価格の高騰を反映してか、人口動態やマンション供給戸数から需給バランスの変動を予測し、中長期的には住宅の価格は下がっていかざるを得ないでしょう。と述べているのは、この種の本としては良心的。その他の部分も極めて真っ当な内容で、最初に読む教科書としてもお勧めできる。