philosophy

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フェリックス・デニス(著), 井口耕二(訳), 本物の大富豪が教える金持ちになるためのすべて

デニス・パブリッシングで財を成したフェリックス・デニスによる金持ちになるノウハウ。ビジネスの立ち上げに成功して大富豪までのし上がるにはある種の狂気が求められる、というのが一読しての印象。著者が最初に掲げている金持ちになれる条件は、どれも大きな犠牲を伴うものばかり。それも長時間働く気概があることや失敗のおそれと正面から向き合うことなどはまだしも受け入れられる人が多いだろうが、家族に心配をかけても仲間や友達に軽蔑されてもかまわないと言い切れる人は少ないだろう。自分の会社の持ち株を...
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橘玲, 幸福の「資本」論 あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」

人間が持つ資本を金融資産 (自由)、人的資本 (自己実現)、社会資本 (共同体=絆) の3つに分けて考えることで人生の幸福について考えてみる本。今まで混同して語られることが多かった各資本を整理することで、人生を戦略的に考えることができるようになるかもしれない。誰もがすべての資産を備えた「超充」になる必要はない。
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本多静六, 私の生活流儀

私の財産告白に続いてこちらも。資産運用を主題に据えた前書を補完する作品で、健康長寿法や暮らし方を扱っている。近代的な医学や栄養学と照らして正しいかは疑問なところもあるが、そのムリ・ムダのない生活スタイルは、資産の種銭を作る上で必ず役に立つだろう。
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finalvent, 考える生き方

極東ブログらを手がけるfinalvent氏による自伝。波乱万丈な人生は送っているものの、社会的に超名人というわけではない人物の自伝が出版されるというのは、ブログ時代の面白さだろう。本人は負け組を自称しているが、幅広い見識を持ち、曲がりなりにも文筆業で家族を養っている以上、謙遜のし過ぎというものだろう。内容はその波乱万丈な人生を写すかのように雑多なものだが、人生との折り合いの付け方など共感できる部分が多い。
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黒咲一人, 55歳の地図

紙の方は絶版で古書価格も上がりすぎているのでKindle版で。仕事がなくなったマンガ家の四国八十八箇所巡拝。それだけと言ってしまえばそれだけの作品だし絵柄も一昔前なのだが、それでも圧倒される迫力を感じるのは、自分が歳を取ったせいなのかもしれない。
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施川ユウキ, 鬱ごはん (2)

前巻ほど後味の悪い話はなく (私は食べ物を捨てるのが許せない。特に本作の様にノンフィクションに近い場合は) ちょっと安心。内向きな作風は相変わらず。昨今の食マンガブームの中で独特の立ち位置を確保している感がある。
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谷岡一郎, 負け方の王道

正しい負け方の解説。長年、ギャンブルに関連する研究に携わってきた著者だけあり、ビジネスだけではなくギャンブルを例にあげての解説に多くのページを割いている。やや説教臭いところはご愛嬌だが、内容は示唆に富む。
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キャサリン・メイヤー(著), 近藤純夫(訳・エッセイ), 山でウンコをする方法 自然と上手につきあうために

フザケたタイトルだが、中身はいたって大マジメ。環境保護の観点から、野外活動中の排泄がどうあるべきかを仔細かつ実践的に語る。登山家である著者の体験はもちろん、なかなか表立っては語られないこの種のエピソードが豊富に含まれているのも楽しい。
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美達大和, 死刑絶対肯定論 無期懲役囚の主張

前作の人を殺すとはどういうことかに続いて読んでみた。主に自身の犯罪に至るまでの心理を扱った前作と異なり、自身の周りの懲役囚達の思考や現行の刑務所の欠陥に焦点を合わせている。例によって本物の無期懲役囚であるかは疑問が残るところだが、それを抜きにしても真っ当な主張に思える。
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本多静六, 私の財産告白

戦前の林学博士にして倹約と投資で一財産を築き上げた本多静六の告白。時代は変われど、財産を築き上げるための基本はそう変わるものではない。本多は、通常収入の四分の一を天引きで貯金する本多式「四分の一」貯金で貯めた資金を投資するというまさに王道を行った。さらに本書の特筆すべき点は、財産の処分方法という難題とも格闘しているところ。85歳を迎えた本多が辿り着いた結論は、「児孫のために美田を買わず」。また、若い頃は「若いうちに勤倹貯蓄、慈善報謝、陰徳を積み、老後はその蓄積と陽報で楽隠居す...