politics

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高橋洋一, 日本経済のウソ

帯に踊る "勝間和代氏推薦!!" の文字に一瞬怯んだが、内容は真っ当。長らく続いている日本のデフレ状況について、その原因を日本銀行の失敗に求める。日本銀行は意図的に-1~0%のデフレを作り出しているという説は、その真意はともかくとして状況証拠は十分。
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高橋洋一, さらば財務省! 政権交代を嗤う官僚たちとの訣別

高橋洋一が小泉・竹中改革に携わっていた頃の話が中心。まさに "抵抗勢力" との対立真っ盛りの時期を描いているので、官僚システムの負の部分がよく分かる。当時の大きな動きの原因と結果を直接的に繋げて見せてくれるので非常に読みやすいのだが、それが逆に他の多くの要素を切り捨ててしまっていないかが気になる部分がある。あくまで高橋洋一個人の視点からの回顧であることには注意が必要。
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清水浩, 脱「ひとり勝ち」文明論

電気自動車Elicaの開発者による本だが、技術よりももう少しメタなお話。あまりに良いことばかりが書いてあるのでつい疑ってみたくなるが、納得させられる部分も多い。脱「ひとり勝ち」の考え方は、本書中でも触れられている通り、のストーリーに通じるものがある。
diary

Bechtel International Centerの掲示板

たまに前を通るBechtel International Centerの掲示板にこんな張り紙が貼ってある。中国漁船衝突事件が発生した後に少し後に初めて発見したときは何も書き込みがされていなかったと記憶しているが、そのあと少しずつコメント (?) が加わってこんな姿に。ネットの掲示板とは違うのんびりしたペースで炎上していく様子は何だか新鮮に感じる。
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高橋洋一, 日本の大問題が面白いほど解ける本 シンプル・ロジカルに考える

高橋先生の新刊。少々断定的すぎるように見えるのと、一冊に多くのネタを詰め込みすぎているのが難だが、相変わらず切れ味鋭い内容。現在の民主党政策に関する部分も多いので、賞味期限中にどうぞ。
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浅川芳裕, 日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率

自給率という指標が様々な問題を抱えているというのは周知の通り。本書の前半はその様に問題のある指標が生み出された背景として、農水省の利害を指摘している。後半は少しポジティブな話題で、日本農業の強さと将来の展望を扱う。この手の話題では避けて通れない食料安全保障の問題もきちんと扱われており好感が持てる。食糧事情に少しでも興味のある方には自信を持っておすすめできる。
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疋田智, 大人の自転車ライフ

自転車ツーキニストとして有名な疋田氏の本。自転車のススメも頷ける部分が多いが、それ以上に自転車を生かすための街づくりの提案が面白い。自転車の視点からの道路の問題として挙げられている横切れない交差点、路上駐車車両などは自転車乗りならば、誰でも同意できるものだろう。
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ジョージ・フリードマン(著), 櫻井祐子(訳), 100年予測 世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図

20年以上の長期スパンでの世界情勢を予測したもの。過去の歴史をそのタイムスケールで見てみると、未来が現在の空気とは大きく異なる方向に動くということには異論の余地がない。日本、トルコ、ポーランドが長期的には大きな力を持つという著者の予測はそこまで突飛なものとも思えないが、基本的にはSFだと思っていた方が良いだろう。一部、宇宙プラットフォームを活用した戦争のくだりなどはなどは、さすがにSFとしても筆が滑りすぎているように思う。
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おがいよしお, HITLER選挙戦略 現代選挙必勝のバイブル

いろいろあって絶版・回収となった本だが、内容はそこまでとんでもないものではない。からの引用が少々あるものの、選挙のための組織作り一般の内容がほとんど。
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前田朗, 軍隊のない国家 27の国々と人びと

軍隊を持たない国という目の付け所は面白い。各国の基礎的な情報はよくまとまっており、カタログとしては悪くない。しかしながら、なぜそれらの国が軍隊を持たずにやっていけるのかという基本的な問題にほとんど触れられていないのが残念。各国の紹介でそれぞれの憲法に紙幅を割いているのを見ると、また著者のバックグラウンドからすると、平和憲法があるので軍隊で守る必要がないと本気で信じていそうな気もするが。このあたりはリアリズムと防衛を学ぶの記事がよくまとまっているので、併読すると良いだろう。また...