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川島博之, 「作りすぎ」が日本の農業をダメにする

「食糧危機」をあおってはいけない、「食料自給率」の罠に続く農業政策本。 世界的に食料が余っているという現実と今後も過剰生産が続くという見通しの下、これからの日本の農業の形を探っていく。日本の農業の構造的な問題にも触れており、政治的な視点もある良書。おすすめ。
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田村亮, 28歳で政治家になる方法 学歴・職歴・資格一切不要! 25歳以上なら誰でもなれる!

市議会議員を就職先の一つとして捉えた指南本。着眼点は面白いが、経験則中心で客観的なデータがほとんどないのが残念。 著者は選挙用品ドットコムの代表でもあるので、そのバイアスがかかっている点には注意。ネットだけの選挙活動を酷評しているのもそのあたりに理由があるのかもしれない。
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小松正之(著), 日本水産学会(監修), よくわかるクジラ論争 捕鯨の未来をひらく

捕鯨問題の入門書。国際捕鯨委員会 (IWC; International Whale commission) の一線で活躍している著者だけあり、科学的な調査法から各国の捕鯨の歴史まで、およそひと通りの基礎が網羅されている。 一つ難を挙げると、日本側の見解に偏り過ぎている感はある。他国の主張について主観で断定している箇所が見られるため、この部分は他の文献で補う必要があるだろう。
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グレッグ・クライツァー(著), 竹迫仁子(訳), デブの帝国 いかにしてアメリカは肥満大国となったのか

装丁は軽めだが内容は硬派。 米国が肥満社会となるまでの過程を、農業行政、ファストフード業界、食品業界、教育界と多くの視点から丹念に追いかけていく。現状に至った要因は単一のものではなく、様々な原因が絡まり合っていることがよく分かる。肥満のリスクに関する記述も十分。
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川島博之, 電力危機をあおってはいけない

いわゆる脱原発論だが、自然エネルギー派ではなく、人口減により必要な電力が減っていくので石炭・石油・天然ガスで十分にまかなえるとの論。 データも出自がしっかりしているものが多く、理論的なギャップも少ない。ただし、本書の対象はあくまでも電力であり、エネルギー全般を論じているわけではない点には注意が必要。 数字や計算式が多い本にも関わらず縦組みになっている点だけが残念。
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藤本建二, 核と女を愛した将軍様 金正日の料理人「最後の極秘メモ」

金正日の料理人の続編にあたる本。 表題は釣りで、核の話も女の話も申し訳程度。前作と重複する部分もやや多い。
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藤本健二, 金正日の料理人 間近で見た権力者の素顔

金正日の専属料理人を務めていた (と自称している) 著者による内情暴露本。真偽が怪しい箇所もあるが、多数の写真を持ち帰っている点や、本書が出版された2003年時点で当時は無名であった金正恩が後継者となることを予言している点など、事実に基づいていると思われる箇所も多い。 著者がなぜここまで金正日に入れ込んでいくことになったのかなど、心情的に不明な部分が多いのがやや残念。
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礒崎敦仁, 澤田克己, LIVE講義 北朝鮮入門

北朝鮮の入門書・教科書となることを目指して書かれたというだけあり、北朝鮮の基礎的な事項がよくまとまっている。市民の生活についての情報はやや控え目だが、政治や外交、歴史については必要事項が過不足なくまとめられている。金正日存命中の2010年の出版ながら、当時は後継者候補に過ぎなかった金正恩の情報もきちんと押さえられており、古さを感じさせない。巻末の参考文献もしっかりしており、一冊目の教科書としても間違いなくおすすめできる。
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岩田健太郎, 予防接種は「効く」のか? ワクチン嫌いを考える

予防接種が効くか否かよりも、ワクチンをどう運用していくかという運用制度が話題の中心。実際に予防接種が効くのかはさらりと流される。 内容は悪くないが、文章にかなりクセがあり所々攻撃的なので、耐性のない方は注意。
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松永暢史, この国をダメにした「学校教育」 政治家・官僚・企業トップ……ウソつきばかりを生んだ教育

第1章は現在の日本の教育ができるまでの歴史。著者のGHQ嫌いと文科省嫌いと日教組嫌いが前に出過ぎているために客観性が感じられず、読むに耐えない。 さすがに教育産業に携わっているだけあり、第2章の学校教育の現状は興味深い記述がいくつかある。ただし、あくまでも主観的な記述であり、客観的な裏付けがない点は注意が必要。