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藤本健二, 金正日の料理人 間近で見た権力者の素顔

金正日の専属料理人を務めていた (と自称している) 著者による内情暴露本。真偽が怪しい箇所もあるが、多数の写真を持ち帰っている点や、本書が出版された2003年時点で当時は無名であった金正恩が後継者となることを予言している点など、事実に基づいていると思われる箇所も多い。著者がなぜここまで金正日に入れ込んでいくことになったのかなど、心情的に不明な部分が多いのがやや残念。
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礒崎敦仁, 澤田克己, LIVE講義 北朝鮮入門

北朝鮮の入門書・教科書となることを目指して書かれたというだけあり、北朝鮮の基礎的な事項がよくまとまっている。市民の生活についての情報はやや控え目だが、政治や外交、歴史については必要事項が過不足なくまとめられている。金正日存命中の2010年の出版ながら、当時は後継者候補に過ぎなかった金正恩の情報もきちんと押さえられており、古さを感じさせない。巻末の参考文献もしっかりしており、一冊目の教科書としても間違いなくおすすめできる。
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岩田健太郎, 予防接種は「効く」のか? ワクチン嫌いを考える

予防接種が効くか否かよりも、ワクチンをどう運用していくかという運用制度が話題の中心。実際に予防接種が効くのかはさらりと流される。内容は悪くないが、文章にかなりクセがあり所々攻撃的なので、耐性のない方は注意。
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松永暢史, この国をダメにした「学校教育」 政治家・官僚・企業トップ……ウソつきばかりを生んだ教育

第1章は現在の日本の教育ができるまでの歴史。著者のGHQ嫌いと文科省嫌いと日教組嫌いが前に出過ぎているために客観性が感じられず、読むに耐えない。さすがに教育産業に携わっているだけあり、第2章の学校教育の現状は興味深い記述がいくつかある。ただし、あくまでも主観的な記述であり、客観的な裏付けがない点は注意が必要。
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高橋洋一, バランスシートで考えれば、世界のしくみが分かる

負債だけではなく資産の部分も併せて見ることで、日本政府や特殊法人の実態を精査しようという試み。"バランスシート" と書かれているものの、会計で言うところの正規のバランスシートを扱ったものではないので注意が必要。所々に入っている恨み節が気になるが、読み物としては及第点。最終章の国際政治の話題は本書のスコープから逸脱している様に感じる。
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李在根(著), 河合聡(訳), 北朝鮮に拉致された男 30年間のわが体験記

漁船の操業中に北朝鮮警備艇に拿捕された韓国人の半生記。一度は朝鮮労働党に入党し北朝鮮社会に溶け込んだ人物だけあり、平壌を中心とした都市部の生活実態がリアルに描かれている。
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満員電車がなくなる日 鉄道イノベーションが日本を救う

満員電車の歴史と、満員電車をなくすための方策の提言。提案されている運行方法のイノベーションは素人目にはリスクが高まりそうに見える箇所がある。例えば、コストダウンのために無線LANをこの種の基幹で利用するなど、通信屋としては非常に怖い。一方で、戦略的プライシング等の運賃のイノベーションは非常に興味深い。社会的批判さえ乗り越えられれば十分に実現性があるものと思われる。
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石井彰, エネルギー論争の盲点 天然ガスと分散化が日本を救う

出版時期からすると3.11直後に慌てて出版されたようにも見えるが、内容は意外と本格派。電力のみではなくもう少し広い視点でエネルギー全体の最適化を考えている点が特徴的。著者の経歴からしてやや天然ガスに肩入れし過ぎているきらいはあるが、概ね説得力のある内容。
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安明哲(著), 池田菊敏(訳), 北朝鮮 絶望収容所

脱北者による告発本。いわゆる政治犯ではなく、警備隊員として完全統制区域に務めていた人物の手記であり、より広い情報が含まれている。著者は現在は文筆業ではなく農協勤務とのことなので、無理に刺激的にするインセンティブは少ないものと思われる。とはいえ、他の証言と付き合わせる必要は感じる。
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高沢皓司, 宿命 「よど号」亡命者たちの秘密工作

よど号ハイジャック事件の実行犯グループを中心に、関連する対日工作を追ったノンフィクション。主体思想北朝鮮側の思惑を踏まえた推理の数々は、やや独善的な部分が残るものの、なるほどと思わせるものが多い。