movie シン・ゴジラ Amazon Prime Videoで視聴。 ピエール瀧の影響はなく、出演シーンのカットなどもなし。 前評判通りの面白さ。早口に繰り出される洪水のような情報量に圧倒されっぱなしであったが、気がつけばグイグイと引き込まれていた。日本の官僚組織をハイコンテクストのまま描ききったのも潔い。もちろん、庵野監督らしく怪獣映画としての面白さも忘れていない。画になるシーンがこれでもかと詰め込まれている。 2019-07-31 movie
comic 大石浩二, トマトイプーのリコピン (1) (2) (3) 磯部磯兵衛物語の後釜として週刊少年ジャンプの巻末ギャグ枠に入ったが、諸事情により少年ジャンプ+へ移籍。単行本は続いて欲しい (週刊少年ジャンプで一旦完結させた版が単行本未収録だが)。グッズ化できそうなかわいいキャラクターと時事風刺ネタとのギャップがすばらしい。 2019-06-29 comic
book 岩田一平, 珍説・奇説の邪馬台国 邪馬台国の解説書だが、大和説や九州説などのメジャーどころだけではなく、いわゆるトンデモ説も真面目に解説しているのが売り。それも単に文献を漁るだけではなく、提唱者本人へのインタビューを多数実施している労作。ジャワ島説、新潟説など一見荒唐無稽な説も提唱者本人は大真面目で、どれも一理はあることがよく分かる。 2019-05-29 book
book スコット・A・シェーン(著), 谷口功一(訳), 中野剛志(訳), 柴山桂太(訳), 〈起業〉という幻想 アメリカン・ドリームの現実 華やかに見える米国のスタートアップも、その実態は大きく異ることをデータで示している。米国はそもそも起業が盛んなわけではなく、その起業もハイテク産業ではなく建設業や小売業などの枯れた業種が中心。起業の動機も、世界を変えるという華々しいものは少数派で、他人の下で働きたくないという理由が多い。起業した結果、雇われていたときよりも長時間労働かつ低収入に陥っていることも多い。それでも、起業自体が幸福度を挙げることにつながっているのは救い。他人のために働くよりも自分のために働いたほうが幸... 2019-03-23 book
book cis, 一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学 cisの初めての著作。福地誠の企画らしい。cisが決してジャンケン大会の勝者などではなく、勝つべくして勝っているということがよく分かる。たまたま投資の分野で成功しているが、他の多くの分野でも成功できたのではないかと思う。”日経平均を動かせる男” は誇張ではない。そんな本人がメディアの解説を全然僕の思惑と違うことを勝手に想像して話していると評しているのは興味深い。本人の自伝や投資哲学が中心だが、いくつか具体的な投資方法のアイディアも含まれている。値嵩株の日経平均組み入れは狙える... 2019-01-13 book
book 紀田順一郎, 蔵書一代 なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか 田舎に大きな書庫を備えた家を建てて好きな本に囲まれて暮らすという夢は、すべての蔵書家が一度は思い描いたことがあるだろう。そんな暮らしを一度は実現しながら、家族や自身の健康などの理由で捨てざるを得なくなったのは心情を察するに余りある。さらにその際に3万冊超の蔵書を手放さざるを得なくなったとなると、自らの半身をもぎとられたようなという比喩では物足りないだろう。そんな著者の体験を踏まえ、さらに個人蔵書の受難の時代背景や名だたる蔵書家たちのエピソードを折り込み、蔵書論ともいうべき作品... 2018-12-13 book
book 岡本吏郎, 会社にお金が残らない本当の理由 中小企業向けの経営指南書。経営の最終到達点は1円でも多くお金を残すことと説く。これは内部留保を増やすことと同義。これだけ聞くと当たり前に聞こえるが、節税のために目一杯役員報酬を払っている場合は、そこに再投資のための内部留保が含まれていることを忘れがち。役員報酬はあくまでも合法的裏金に過ぎない。銀行よりも仕入先、友人、親戚を大事にしろというのは同意できる。すべてがゼロになって再起を図るときに協力してくれる大事な人を道連れにしてはいけない。決算書の利益は税金を取るための数字であっ... 2018-11-02 book
book フェリックス・デニス(著), 井口耕二(訳), 本物の大富豪が教える金持ちになるためのすべて デニス・パブリッシングで財を成したフェリックス・デニスによる金持ちになるノウハウ。ビジネスの立ち上げに成功して大富豪までのし上がるにはある種の狂気が求められる、というのが一読しての印象。著者が最初に掲げている金持ちになれる条件は、どれも大きな犠牲を伴うものばかり。それも長時間働く気概があることや失敗のおそれと正面から向き合うことなどはまだしも受け入れられる人が多いだろうが、家族に心配をかけても仲間や友達に軽蔑されてもかまわないと言い切れる人は少ないだろう。自分の会社の持ち株を... 2018-10-23 book
book 斎藤由多加, 社長業のオキテ ゲームクリエーターが遭遇した会社経営の現実と対策 表題にもなっている通り、著者は起業家というよりもクリエイターなのだと思う。 人手が必要なゲーム制作ではなく一人でできるタイプの創作にのめり込んでいたならば、起業などせずに個人事業主として楽しくやっていたのではないだろうか。起業自体にはさほど思い入れがなかった社長の著作という意味で、珍しい本ではある。そうした望まない会社経営の中で、なんとか生き抜くための知恵が詰まっている。 大企業とのやり取りを記したくだりは実に辛辣ながら的確。当事者意識がない代わりに一つの仕事のプロである大企... 2018-10-12 book
book トラヴィス・ソーチック(著), 桑田健(訳), ビッグデータ・ベースボール 20年連続負け越し球団ピッツバーグ・パイレーツを甦らせた数学の魔法 オークランド・アスレチックスのマネー・ボールの後に台頭してきたピッツバーグ・パイレーツのセイバーメトリクスを紹介するドキュメンタリ。今ではメジャーリーグの新たな常識となりつつあるPITCHf/xによる捕手のピッチフレーミングの分析、ビッグデータを活かした極端な守備シフト、先発4人制のローテーション、スタットキャストによる守備の数値化、投手の怪我を減らすよりスマートな球数制限などが生み出されるまでが明らかになる。 2018-07-16 book