book 福田秀夫, 農薬に対する誤解と偏見 農林省で農薬の研究に従事していた著者による農薬論。化学工業日報社の "今月の農業" の連載に加筆修正したもの。表題からも分かる通り、農薬反対派への恨み節の部分が多い。そこまで感情的にならずに科学的な事実のみをきちんと書く形でもよかったのではないかと思う。 2014-02-13 book
book マイケル・ブルックス(著), 楡井浩一(訳), まだ科学で解けない13の謎 現代科学の変則事象 (Anomaly) を集めたもの。暗黒物質のような宇宙論から始まり、自由意志、有性生殖、地球外生命体、代替医療と幅広いテーマを扱っている。ホメオパシーの様に、変則事象に含めてよいか疑問なものが挙げられているのはご愛嬌。各テーマ20ページほどのため、非常に圧縮した解説となっており、あまり詳しくない分野は理解しにくく感じるかもしれない。科学分野で面白そうなものがないかを探すがめのカタログとしては上々。 2014-02-12 book
book ASIOS, 菊池聡, 山津寿丸, 検証 予言はどこまで当たるのか ASIOSの今回のテーマは予言。震災関係に特化した前書と異なり、予言一般を扱う。いつも通りの労作で、読み応えも十分。しかしながら予言という少々手垢のついたテーマを扱う以上、ノストラダムスやエドガー・ケイシーといった既に各所で論じられている予言にページが割かれてしまっているので、愛好家には少々退屈な箇所があるかもしれない。 2014-02-11 book
book 中川基, ニセモノ食品の正体 インジェクションビーフや代用魚など、偽装食品とまでは言わないまでもホンモノとは言い難い様な食品を集めたカタログ本。解説は中立的で、この種の本にありがちな "添加物=悪" といった短絡的な思考や無意味な自然信仰などはほとんど見られない。ニセモノ食品の長所である破棄の削減やコスト低減と短所である栄養バランス等の問題の双方がきちんと押さえられており、好感が持てる。 2014-02-06 book
book マーサ・スタウト(著), 木村博江(訳), 良心をもたない人たち 25人に1人という恐怖 米国では人口の4%を占める (アジアではこれよりもだいぶ少ない) と言われるSociopath/Psychopathの実態。心理セラピストとしての経験から得られた実際のエピソードを基にしており、Sociopath/Psychopathの行動原理が非常によく分かる。また、彼ら/彼女らに振り回されないための13のルールも実に興味深い。 2014-01-28 book
book 川島博之, 電力危機をあおってはいけない いわゆる脱原発論だが、自然エネルギー派ではなく、人口減により必要な電力が減っていくので石炭・石油・天然ガスで十分にまかなえるとの論。データも出自がしっかりしているものが多く、理論的なギャップも少ない。ただし、本書の対象はあくまでも電力であり、エネルギー全般を論じているわけではない点には注意が必要。数字や計算式が多い本にも関わらず縦組みになっている点だけが残念。 2014-01-22 book
book リチャード・ワイズマン(著), 木村博江(訳), その科学が成功を決める 最新の心理学研究の成果を用いて、自己啓発本でよく語られる言説を検証している。文献調査もきちんとしており、主観的な記述ばかりの自己啓発本よりははるかに納得感がある。おすすめ。 2014-01-19 book
book 京都純典(企画・監修), プロ野球本当の実力がわかる本 2013-2014 2009年度版以来の復活。相変わらずセイバーメトリクスの主要な指標を並べた表が掲げられているだけで工夫はない。野手の指標はOPS, SecA, TA, BB/K, PA/BB, IsoD, ISO, wOBA, wRAA, wRC, BABIP, RCAA, RC, RC27と、公式戦成績から算出できるもののみ。守備に関する指標は一切なし。投手の指標はQS%, FIP, WHIP, NP/IP< K/9, BB/9, K/BB, BABIP, RSAA, ゴロ率, フライ率,... 2014-01-18 book
book あさりよしとお, 宇宙へ行きたくて液体燃料ロケットをDIYしてみた 実録なつのロケット団 なつのロケット団が液体燃料ロケットを飛ばすまでの軌跡を綴ったもの。なつのロケット団は一介の民間人が何もないところからロケットを作って宇宙に行こうというある意味無茶なプロジェクトなのだが、本書を読めばその本気が伝わってくる。メンバーは少数のエンジニアを除くと素人ばかり。本書の著者のあさりよしとおは漫画家であるし、他にも作家やイラストレーターなど、宇宙への想いはあれど技術者ではない者が大半。メンバーには堀江貴文も名を連ねており、大きな役割を占めている。今までの宇宙に関する発言が思... 2013-12-27 book