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能田達規, マネーフットボール (6) (7)

前回に続き、完結まで一気読み。物語が大詰めということもあり数値分析の話題はやや控え目になったが、新たに代理人システムやチーム編成の話題を入れ込んできたところはさすが。
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モートン・ルー(著), 小柴一(訳), ザ・ウェーブ

実話を下敷きにした小説。ファシズム的な環境を作る実験授業をテーマにしており、あれよあれよという間に教師すら制御不可能なところへ暴走してしまう様には空恐ろしさを感じる。内容は文句ないが、翻訳は直訳調で今ひとつ。
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羽根田治, 飯田肇, 金田正樹, 山本正嘉, トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか

2009年のトムラウシ山遭難事故の検証本。ただ行程を追ったドキュメントにとどまらず、気象、低体温症、運動生理学の各方面の専門家がそれぞれの視点から多角的に検証しているのが素晴らしい。
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スティーブ・フォックス(著), ポール・アーメンターノ(著), メーソン・トヴェルト(著), 三木直子(訳), マリファナはなぜ非合法なのか?

著者陣は、Marijuana Policy Project (MPP), the National Organization for the Reform of Marijuana Laws (NORML), Safer Alternative For Enjoyable Recreation (SAFER) の各団体の幹部クラスが揃い踏み。いずれもマリファナ合法化を目指している団体だが、きちんとしたエビデンスを重視した上で、平和的に合法化を狙っているのが特徴。ではそのマリフ...
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ジュディス・リッチ ハリス(著), 石田理恵(訳), 子育ての大誤解 子どもの性格を決定するものは何か

巷の子育て本には出所不明な情報も多く、どうにも腹落ちがしないので、少し硬めの本書に手を出してみた。既に絶版になっており中古も結構な値段なので、地元図書館で拝借。"育児のしかたが子どもの性格と将来を決定する" といういわゆる子育て神話や、"出生順位が性格に影響を与える" という出生順神話を徹底的に疑ってエビデンスを求めていくと、実は神話の根拠が極めて心もとないものであることが分かる。子育て神話が生まれた大きな要因は、育児のしかたと遺伝の混同。愛情豊かな親は愛情豊かな育児を行うと...
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涌井良幸, 統計力クイズ そのデータから何が読みとれるのか?

クイズ形式の統計学入門書。企画自体は良いのだが、前提条件の説明が不足しているなど悪問が多い。無理にクイズ形式にする必要はなかったのではと思える。
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日経デザイン(編), パッケージデザインの教科書

表題通りパッケージデザインに特化した内容で、かなり工業デザイン寄り。飲料容器などの重点分野は製造工程の基礎から学べるように工夫されている。色の印象など主観的な部分は統計調査による裏付けを加えているのも良い。
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能田達規, マネーフットボール (1) (2) (3) (4) (5)

既刊の5巻までまとめ読み。種本はサッカー データ革命。数字重視のフットボールをうまくマンガに落とし込んでいる。それだけにとどまらず、あまりマンガの題材として使われないJ2やレンタル移籍といった要素を巧みに織り込んでいる点も見事。
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かのよしのり, 銃の科学 知られざるファイア・アームズの秘密

著者は陸上自衛隊の武器補給処技術課研究班の出身。銃火器の構造からその歴史、最近のトレンドまでをうまく一冊にまとめている。見開き2ページで一項目が完結する形式と大量の図版で非常に読みやすい。事前知識もほぼ必要としない構成なので、初心者の一冊目としても有用。強いて欠点をあげると、索引が貧弱なのだけがやや残念。
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クリス・アンダーゼン(著), デイビッド・サリー(著), 児島修(訳), サッカー データ革命 ロングボールは時代遅れか

セイバーメトリクスの普及している野球と比べるとやや出遅れている感のあるサッカーのデータ分析を扱った本。類書のビューティフル・ゲームと比較すると、昨今のトレンドを反映してビッグデータ分析寄り。ポゼッションの錯覚やチームの弱点強化の重要性など、従来のサッカーの常識をくつがえすような発見も多く、データ好きなら間違いなく知的興奮を得ることができるだろう。おすすめ。