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涌井良幸, 統計力クイズ そのデータから何が読みとれるのか?

クイズ形式の統計学入門書。企画自体は良いのだが、前提条件の説明が不足しているなど悪問が多い。無理にクイズ形式にする必要はなかったのではと思える。
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日経デザイン(編), パッケージデザインの教科書

表題通りパッケージデザインに特化した内容で、かなり工業デザイン寄り。飲料容器などの重点分野は製造工程の基礎から学べるように工夫されている。色の印象など主観的な部分は統計調査による裏付けを加えているのも良い。
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能田達規, マネーフットボール (1) (2) (3) (4) (5)

既刊の5巻までまとめ読み。種本はサッカー データ革命。数字重視のフットボールをうまくマンガに落とし込んでいる。それだけにとどまらず、あまりマンガの題材として使われないJ2やレンタル移籍といった要素を巧みに織り込んでいる点も見事。
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かのよしのり, 銃の科学 知られざるファイア・アームズの秘密

著者は陸上自衛隊の武器補給処技術課研究班の出身。銃火器の構造からその歴史、最近のトレンドまでをうまく一冊にまとめている。見開き2ページで一項目が完結する形式と大量の図版で非常に読みやすい。事前知識もほぼ必要としない構成なので、初心者の一冊目としても有用。強いて欠点をあげると、索引が貧弱なのだけがやや残念。
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クリス・アンダーゼン(著), デイビッド・サリー(著), 児島修(訳), サッカー データ革命 ロングボールは時代遅れか

セイバーメトリクスの普及している野球と比べるとやや出遅れている感のあるサッカーのデータ分析を扱った本。類書のビューティフル・ゲームと比較すると、昨今のトレンドを反映してビッグデータ分析寄り。ポゼッションの錯覚やチームの弱点強化の重要性など、従来のサッカーの常識をくつがえすような発見も多く、データ好きなら間違いなく知的興奮を得ることができるだろう。おすすめ。
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橘玲, 言ってはいけない 残酷すぎる真実

亜玖夢博士のマインドサイエンス入門や不愉快なことには理由があるの延長線上にある本で、脳科学や遺伝学の動向をいつも通りの語り口で伝えてくれる。読み物としてはやはり面白いのだが、まだ専門家の間でも議論があるような内容をかなり断定的に書いている点には注意が必要。
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ジョン・マクミラン(著), 瀧澤弘和(訳), 木村友二(訳), 市場を創る バザールからネット取引まで

市場の設計に関する経済学の観点からの論考。啓蒙書のためか、数式はほぼなし。著者の専門であるゲーム理論やオークション理論に重みがある印象。世界の様々な市場を題材に扱っており、机上の空論となっていないのが良い。
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カイザー・ファング(著), 矢羽野薫(訳), ヤバい統計学

いわゆる統計リテラシ本。統計学が社会問題をどのように扱っているかが垣間見える。あくまで啓蒙書なので、数学的な解説は控えめ。統計学が問題を解決した綺麗なストーリーだけではなく、人間の心理が絡んでくるがために安易に最適解を取れないといった事例も取り上げておりなかなか興味深い。
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川上和人, 鳥類学者 無謀にも恐竜を語る

恐竜ファンならば、鳥類が実質的に恐竜 (竜盤類) に含まれることもご存知だろう。その類縁を活かし、現生の鳥類からの類推により恐竜の整体を推測しようという試みが本書。もちろん厳密な科学論文ではなくかなり大胆な仮説も多数含まれるが (これは著者自身も本書中で度々述べている) 、これが抜群に面白い。恐竜はどんな色だったのか、恐竜は鳴いたのか、恐竜は毒を持っていたのか、恐竜は何をどのように食べていたのか、恐竜は渡りをしたのか、恐竜はどこに巣を作っていたのか。どれも一見無謀な推論に見え...
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蛇蔵, 決してマネしないでください。 (1) (2) (3)

"大人の学習マンガ" というキャッチフレーズの作品。理系研究室を舞台にしたラブコメという建て付けだが、ストーリーはあってないようなもの。満載されている理系あるあると科学偉人伝の小ネタがとにかく楽しい。今時のマンガにありがちな引き伸ばしもなく、3巻ですっぱりと完結するところも潔い。おすすめ。