self-help

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関根大介, 子供を東大に入れる法

タイトルは釣りで、教育論の本ではない。著者の個人的な体験しか書かれていないため、提唱する方法や考え方の効果は不明。自己啓発本の一つとして、栄養ドリンク代わりに読む本か。
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水野学, アウトプットのスイッチ

表題にある "アウトプット" は商品のデザインやパッケージだけではなく、その背景にある企業理念なども含んだ広い意味。その広い視点で売れる商品を考えようという試み。著者自身が携わってきた商品の実例に沿った解説が中心。アウトプットを作り出す様々な手法の紹介もそれらの実例に沿った形で断片的に行われるため、全体像をあまり体系立てて学ぶのには向かないが、手法のヒントを探すのには良い本。
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松岡正剛, 知の編集術

編集というものを非常に大きな枠で捉えた本。編集というよりは、思考法や情報処理法といった方が近いかもしれない。この広い意味での編集術はさっと一読して身に付くようなものとは思えず、本書も演習 (本書中では編集稽古と呼ばれる) を中心として自ら訓練することを促すスタイル。編集稽古中の芸能ネタが一昔前なのはご愛嬌。
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木下是雄, 理科系の作文技術

文章術の古典とも言える本。学生時代に一度読んでいるが、思うところがあり再読。学生時代と異なり、それなりの量の作文をこなしてきた今に読み返すと沁み入る部分が多い。ワードプロセッサの普及前の著作であり、手書きを前提としている箇所などやや時代を感じる箇所もあるが、その他の部分は全く古くなっていない。現代でも版を重ねているのにはやはり理由がある。理工系の人間は必読。
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リクナビNEXT Tech総研(編集), 我らクレイジー☆エンジニア主義

リクナビNEXTの同名の連載からよりぬきして単行本化したもの。直接役に立つようなtipsがあるわけでも、自己啓発本のように明確な指針を与えてくれるわけでもないが、読み物として抜群に面白い。その上、エンジニアや研究者など技術に携わる人ならば間違いなく元気になれる。
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大橋悦夫, 佐々木正悟, スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術

自己啓発本とライフハックを合わせたようなスタイル。小ネタを詰め込んだ構成で読みやすい。GTD (Getting Things Done) の影響を受けていることもあり、親和性も高め。GTDを導入している人が補完的に読むのも良いかもしれない。IT系の小ネタには数合わせ的なものも見られるのがやや残念。
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中村天風, 君に成功を贈る

様々な実業家に影響を与えた中村天風の著作 (明記されていないが、おそらく講演録を起こしたもの) 。多くの自己啓発本から参照されている種本だけあり、多くの気付きを与えてくれる。書いてあるのは言われてみれば当たり前のことばかりだが、よくよく考えてみると全くできてないことが多い。著者のペンネームと元ヨガ行者という経歴から宗教めいたものを感じる人もいるかと思うが、実際は宗教色はかなり薄め。アレルギーのある人も毛嫌いせずに読んで欲しい。
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太田さとし, 内部告発マニュアル

非常に実践的な内部告発指南本。無闇に内部告発を煽るのではなく、きちんとリスクを考慮した上での最終手段として位置付けているのは良心的か。内部告発以外の職場環境改善の手段も各種論じられているので、内部告発など考えてもいないが少しでも改善できれば、という向きにもおすすめできる。
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ジョージ・S・クレイソン(著), 楡井浩一(訳), バビロンの大金持ち The Richest Man in Babylon

メソポタミアの古代都市バビロンを舞台にした寓話集。あくまでも寓話形式の成功本であり歴史書ではないので、時代考証は色々と怪しい。成功本としてのメッセージは非常にシンプルで、勤労、倹約、貯蓄、利殖、慎重。寓話として見ると出来は良く、さらりと読める一冊。
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木暮太一, 僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?

マルクスの資本論をベースに、"自己内利益" を最大化する働き方を提案する。言われるまでもなく無意識にこういった働き方を選択している人も多そうではあるが、現在の働き方に疑問を感じている人は一読する価値があるかもしれない。