sociology

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一橋文哉, モンスター 尼崎連続殺人事件の真実

家族喰いに続いて尼崎事件の本をもう一冊。角田美代子の生い立ちや彼女に詐欺や脅迫の手法を教授した人物に切り込んでいるのが特徴的。
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福地誠, 教育格差絶望社会

最近は麻雀業界での活動が中心の著者だが、過去にはこんな本も出していた。教育とお金の話のぶっちゃけ系。その世代の子供でもいないとなかなか情報が入ってこない分野ではあるが、自身の子供の頃とは異なる世界となっていることが実感できる。感情論ではなく、データをきちんと押さえているのも好感が持てる。おすすめ。
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垣谷美雨, ニュータウンは黄昏れて

ニュータウンの悲哀を見事に取り込んだ社会派小説。小説としてみるとご都合主義が過ぎる感はあるが、一気に読ませる力はある。肝心のニュータウンの内情がきっちり描かれているのが何より素晴らしい。
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ウンベルト・エーコ(著), ジャン=クロード・カリエール(著), 工藤妙子(訳), もうすぐ絶滅するという紙の書物について

二人のビッグネームによる対談。進行はジャン=フィリップ・ド・トナック。インキュナビュラを含む古書や稀覯書の蒐集家でもある二人だけあって、書物の話はいつまでも止まらない。その博識ぶりに圧倒されながらも、書物への愛をたっぷりと感じられた。おすすめ。
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さやわか, AKB商法とは何だったのか

握手券をはじめとするAKB商法を題材にアイドル史を辿る。AKB48を構成する様々な要素の初出を追っていく過程は実に興味深い。AKB48大きな時代のうねりの中で生まれるべくして生まれたアイドルであると思えてくる。
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神樹兵輔, 21世紀ビジョンの会, 知らないとソンする! 価格と儲けのカラクリ

ビジネスモデル本の体裁だが、実質は原価本に近いか。広く浅く様々な業界を眺めるには悪くない。著者が専門としている経済関係はともかく、農業や外食の安全性などの専門外の記述は不正確とまでは言わないまでも悪意が感じられるものが多いため話半分で。
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町山智浩, 教科書に載ってないUSA語録

週刊文春に連載のコラム "言霊USA" をペーパーバックとしてまとめたもの。アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らないが良かったので買ったまま長らく寝かせていた。その時々のhotな言葉を数ページで解説するスタイル。ややゴシップ寄りのネタが多めだが、いずれもアメリカの今がよく伝わってくる。澤井健の一コマ漫画も良い。
movie

デブで病気で死にそう

肥満という大きな社会問題に取り組んだドキュメンタリ映画。意訳かと思っていたら、原題は "Fat, Sick & Nearly Dead" とそのままだった。製作者自身が成功したせいもあって野菜ジュースを過大評価し過ぎているが、アメリカ人の食生活や思考を覗き見るドキュメンタリとしては良質な作品。
comic

白正男(作), 山戸大輔(画), テコンダー朴

嫌韓系褒め殺しマンガ。手縛図の万能ぶりなどの小ネタも満載で元ネタさえわかれば楽しめるがややクドいか。
book

美達大和, 死刑絶対肯定論 無期懲役囚の主張

前作の人を殺すとはどういうことかに続いて読んでみた。主に自身の犯罪に至るまでの心理を扱った前作と異なり、自身の周りの懲役囚達の思考や現行の刑務所の欠陥に焦点を合わせている。例によって本物の無期懲役囚であるかは疑問が残るところだが、それを抜きにしても真っ当な主張に思える。