book 西川潤, データブック 食料 食料をテーマにした冊子だが、農業と畜産がほぼ全てを占めており、水産はほんの付け足し程度。また、全体的に悲観的なトーンに偏っている点や、現代の農業とは切り離せない経済の問題も申し訳程度にしか触れられていないのがやや難。それでも、世界の農業を俯瞰できる内容となっており、トンデモ度も低めで資料も充実しているので、この分野を学ぶ一冊目として読むには悪くない。 2011-09-25 book
book 丸山健二, 田舎暮らしに殺されない法 定年退職後の田舎暮らしを考えている人たちをひたすら批判する本。概ね正論だが、さすがに少々脅かしすぎではないかという気はする。また、田舎暮らしそのもの以外に、そこに至るまでの人生をも持ち出して説教してくるので、叱られ慣れていない人は読まない方が良いかもしれない。 2011-09-13 book
book 城繁幸, たった1%の賃下げが99%を幸せにする 年功序列による職能給制度の批判本。富士通の人事部出身だけあって、大企業が年功序列を維持することの弊害は見事に描かれている。対策としての職務給の導入も避けられず、好むと好まざるにかかわらずに多くの企業がそちらに舵を切ることになるだろう。少子化や農村の衰退の主要因までを雇用制度に求めるのは少し飛躍しすぎていると感じるが、これは少し説明が不足しているためかもしれない。 2011-06-23 book
comic 青木雄二(原作), 佐藤量(作画), 桃源郷の人々 淀川河川敷のユートピア 青木雄二の後期の小説をマンガ化したもの。他の作品と比べると設定がややマンガ的に過ぎるが、ディティールの書き込みがそれを感じさせない。資本主義社会の否定など、青木雄二の思想が強く出ているのも見逃せないところ。 2011-04-12 comic
book 萌えスポ研究所(編), 萌える乙女の社会科見学 腐女子向けの都内観光ガイド。腐女子向けと言ってもいわゆる秋葉原や東池袋だけではなく、防衛省や警視庁などのややカタめのスポットもあり。そのあたりが腐女子目線でどのように見えるのかは興味深い。 2011-02-25 book
book 一刀, バカ日本地図 全国のバカが考えた脳内列島MAP 借力の企画の書籍化をなぜか今頃。リアルタイムで観ている時は良かったが、一気に読むとなると結構しんどい。むしろ読者からの投稿による巻末のマイバカ日本地図の方がテンポよく読めて楽しめる。 2011-02-04 book
book ナンシー・リカ・シフ(著), 伴田良輔(訳), 世にも奇妙な職業案内 米国内のあまり存在を知られていない職業のカタログ。目の付け所が良い企画だが、それ以上に職業人達の写真の質が高く (モノクロ写真補正アリ) 、それを眺めているだけでも楽しい。 2011-01-30 book
book 金山宣夫, 世界20カ国ノンバーバル事典 色々なジェスチャーが各国でどのような意味を持つかの調査結果。20ヶ国を対象に50種類のジェスチャーに対する質問紙調査を行っているが、対象がアジア諸国に偏っておりその他の地域はやや少なめ。30年近く前の調査なので、今再調査すると異なる結果が出そう。また、あまりに学者然とした文章は好みが分かれるかもしれない。ざっと眺めたところ、意外に世界中で似通った意味を持つジェスチャーが多いという印象。もちろん、日本でしか通じないジェスチャーもあるのだが、その多くは見るからに通用しなそうとわか... 2011-01-21 book
book 城繁幸, 3年で辞めた若者はどこへ行ったのか アウトサイダーの時代 昭和的価値観を廃してどう生きるべきかを示した本。タイトルは前作のが売れたために営業的な理由でつけられたものらしく、内容とはあまり関係がない。この手の労働関連の本をある程度読んでいる人には目新しい情報は少ない。 2011-01-07 book
book 小林弘人, 新世紀メディア論 新聞・雑誌が死ぬ前に 著者はサイゾーやギズモード・ジャパンの立ち上げで知られる方。話がポンポン飛ぶ雑多な構成とラフな文体が少々読みにくいが、"雑誌の役割はコミュニティを作ること" というメッセージは伝わってくる。 2010-12-17 book