book 門倉貴史, 雇用クライシス取材班, リストラされた100人 貧困の証言 派遣切りに遭った人々、内定を取り消された学生、リストラされた正社員、ワーキングプア、貧困ビジネス等の近年話題となっている事例のケーススタディが中心。週刊誌的な興味はそそられるが、それ以上の深い考察は感じられない。 2011-10-05 book
book ちきりん, ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法 Chikirinの日記に大幅に加筆修正して単行本化したもの。"ゆるく" と言いながらその実きちんとしたポリシーが感じられるのは読んでいて気分がいい。 2011-10-03 book
book 青砥恭, ドキュメント高校中退 いま、貧困がうまれる場所 著者は公立高校の教諭出身の研究者であり、豊富なフィールドワークによる実例が並べられている。あまりにリアルな高校中退の実例の数々は、読むだけで虚しさがこみ上げてくる。高校中退によって生じる貧困は、決して本人だけの問題ではなく環境要因が大きいことが良くわかる。家庭の事情により基本的な生活習慣を確立することができず、小学校低学年で勉強について行けなくなり、そこからの復帰手段がないままずるずると高校中退となる多くのケースを見せられると、著者の主張するサポート体制の強化や高校の義務教育... 2011-09-30 book
comic 平井寿信, 3.11東日本大震災 君と見た風景 言戯の管理人が震災後に一気に書き下ろしたコミックエッセイ。比較的被害の軽かった山間部や仙台市内が舞台なので、本格的に被災した人々の生活ではなくその周辺の様子が中心。それでも、被災地から離れた場所に住んでいる人間は体験しなかったことも多い。 2011-09-26 comic
book 西川潤, データブック 食料 食料をテーマにした冊子だが、農業と畜産がほぼ全てを占めており、水産はほんの付け足し程度。また、全体的に悲観的なトーンに偏っている点や、現代の農業とは切り離せない経済の問題も申し訳程度にしか触れられていないのがやや難。それでも、世界の農業を俯瞰できる内容となっており、トンデモ度も低めで資料も充実しているので、この分野を学ぶ一冊目として読むには悪くない。 2011-09-25 book
book 丸山健二, 田舎暮らしに殺されない法 定年退職後の田舎暮らしを考えている人たちをひたすら批判する本。概ね正論だが、さすがに少々脅かしすぎではないかという気はする。また、田舎暮らしそのもの以外に、そこに至るまでの人生をも持ち出して説教してくるので、叱られ慣れていない人は読まない方が良いかもしれない。 2011-09-13 book
book 城繁幸, たった1%の賃下げが99%を幸せにする 年功序列による職能給制度の批判本。富士通の人事部出身だけあって、大企業が年功序列を維持することの弊害は見事に描かれている。対策としての職務給の導入も避けられず、好むと好まざるにかかわらずに多くの企業がそちらに舵を切ることになるだろう。少子化や農村の衰退の主要因までを雇用制度に求めるのは少し飛躍しすぎていると感じるが、これは少し説明が不足しているためかもしれない。 2011-06-23 book
comic 青木雄二(原作), 佐藤量(作画), 桃源郷の人々 淀川河川敷のユートピア 青木雄二の後期の小説をマンガ化したもの。他の作品と比べると設定がややマンガ的に過ぎるが、ディティールの書き込みがそれを感じさせない。資本主義社会の否定など、青木雄二の思想が強く出ているのも見逃せないところ。 2011-04-12 comic
book 萌えスポ研究所(編), 萌える乙女の社会科見学 腐女子向けの都内観光ガイド。腐女子向けと言ってもいわゆる秋葉原や東池袋だけではなく、防衛省や警視庁などのややカタめのスポットもあり。そのあたりが腐女子目線でどのように見えるのかは興味深い。 2011-02-25 book
book 一刀, バカ日本地図 全国のバカが考えた脳内列島MAP 借力の企画の書籍化をなぜか今頃。リアルタイムで観ている時は良かったが、一気に読むとなると結構しんどい。むしろ読者からの投稿による巻末のマイバカ日本地図の方がテンポよく読めて楽しめる。 2011-02-04 book