subculture

book

森ヨシユキ, アダルトビデオ「裏」の世界

アダルトビデオの世界の特に制作や流通側の裏話。最近はAV女優側に焦点を当てた本が増えているが、制作・流通に絞ったところが特徴的。週刊誌的な内容が多いので信憑性には注意する必要があるが、昨今のアダルトビデオ配信サイトの資本関係等を知るきっかけには良い本。
book

長谷川亮一, 地図から消えた島々 幻の日本領と南洋探検家たち

過去の地図に掲載されていたものの、現在の地図からは削除されている島々 (その多くはいわゆる疑存島) の物語。疑存島の発生するプロセスが実に興味深い。国家の都合や防諜の都合などによるものはほとんどなく、アホウドリやグアノによる一攫千金を狙う山師達の化かし合いの結果として生まれてしまったものが大半。全体として、淡々と事実を重ねていくスタイルなので、心躍る冒険譚を期待すると少々裏切られるかもしれない。
book

例のプール研究会(編・著), 例のプール

完全に出オチなのだけれど、単行本にまとめてしまおうという勢いは評価できる。内容はスカスカであまり読むところもないので、ネタ本としてどうぞ。
book

寄藤文平, ラクガキ・マスター 描くことが楽しくなる絵のキホン

大人たばこ養成講座で有名な寄藤文平によるラクガキ指南。絵心のない人間にはラクガキと言ってもレベルが高すぎる気もするが、読み物としては上々。
book

吉長成恭(編), 中川重年(編), 関根秀樹(編), 焚き火大全

アウトドア本は数あれど、焚き火というものをここまで掘り下げた本はまさに空前絶後。単なるノウハウ本の粋を超えて、文化や風俗の視点からも評価できるまでに昇華している。周辺情報も充実しており、焚き付けの集め方から焚き火を利用した調理、焚き火を取り上げた芸術作品、世界の焚き火事情まで隙がない。
book

藤岡利充, 泡沫候補 彼らはなぜ立候補するのか

2014年に毎日映画コンクールのドキュメンタリー映画賞を受賞した映画、立候補の舞台裏を綴ったもの。映画を観ていなくても楽しめる。扱っているのは、マック赤坂、羽柴誠三秀吉、外山恒一といった、ネットでも有名な画になる面々が中心。泡沫候補一般のルポタージュを期待して読むと肩すかしを食らうかもしれない。
comic

深谷陽, スパイシー・カフェガール

スパイスビームの前作にあたる作品。この頃に既に骨格は完成しており、異常にウマそうな食事と先を読ませない展開が高いレベルで融合している。
book

長谷川晶一, プロ野球12球団ファンクラブ全部に10年間入会してみた! 涙と笑いの球界興亡クロニクル

表題どおり、全球団のファンクラブの比較を行った企画。一見するとただ一発ネタなのだが、贔屓球団のファンクラブのみに入会している一般のファンにとって他球団のファンクラブは完全に盲点であった。球団広報への取材などではなく、一ファンとして地道に10年間入会し続けた情報をまとめたのも良い。10年分の変化をまとめて読むと、各球団の思惑やファンに対する姿勢が透けて見える様で実に興味深い。
comic

tugeneko, 彼とカレット。

パワプロくんのアレなどで有名だったtugenekoの単行本。当時からある意味ワンパターンな笑いなのだけれど、ここまで続けられるともはや様式美とも感じられる。
comic

福田里香(著), オノ・ナツメ(挿画), ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50

映画やマンガでよくあるステレオタイプな表現のうち、特に食にまつわるものをまとめたもの。映画ファンにとっては常識的なものも多く、また特に網羅性が高いというわけでもないので、軽い読み物としてどうぞ。