subculture

book

天野譲二(著), GAMEgene編集部(編), 幻の未発売ゲームを追え! 今明かされる発売中止の謎

表題そのままの企画本。企画は良いのだが、全体的に作りが浅め。未発売ゲームと言われて思いつく作品がほとんど取り上げられていない。守秘義務などの事情でインタビューできる相手が限られるのも分かるが、この企画の根幹となる部分だけにもう少し手を尽くして欲しかった。
book

ダニエル・スミス(著), 小野智子+片山美佳子(訳), 絶対に行けない世界の非公開区域99 ガザの地下トンネルから女王の寝室まで

さまざまな理由で立ち入りができない場所を集めたネタ本。著者がイギリス人ということもあり、ややイギリスやヨーロッパの比率が高めか。セキュリティや国防上の理由、紛争地域、宗教がらみ、所在地不明など理由は様々だが、どれも興味をそそられるものばかり。さすがに著者も立ち入りの調査はしていないようだが、関係する写真も多く、眺めているだけでも楽しい。
comic

押切蓮介, ハイスコアガール (8)

ついに山場の女の闘い。この本当にいいシーンで、マニアックな格ゲーの攻防を手を抜かずに打ち込んでくるのはこのマンガの真骨頂と言えると思う。
book

アンディ・ライリー, 自殺うさぎの本

ブラックユーモアたっぷりの絵本。ベタなネタからちょっと頭をひねらせるパズル的なものまで、様々な方法で自殺を図るうさぎが実に愛らしい。自殺をする理由などに変に踏み込まず、ただただ自殺する方法だけが並べられている構成が潔い。
comic

服部昇大, 日ポン語ラップの美ー子ちゃん

日ペンの美子ちゃんのパロディとラップ解説という不思議な組み合わせながらこれが面白い。コアなファンにはいろいろとツッコミどころはあるのだろうけれど、作者の愛は伝わってくる。おすすめ。
comic

泉昌之, 食の軍師 (6)

前巻の地方シリーズは一段落し、今度のテーマは大衆食堂。このテーマは、ある意味で泉昌之らしさが存分に出せるシリーズだろう。それだけに、マンネリやワンパターンと叩かれそうだが、それも含めて楽しむべき作品という気がする。
comic

鈴木良雄, フルーツ宅配便 (2)

前巻に続いて人情噺が中心。一本のネタを引っ張らずにきちんと一話完結を続けているのには頭が下がる。
comic

吉富昭仁, へんなねえさん

吉富先生の作品を読むのはローンナイト以来だが、こんな一面があるとは思いもよらなかった。軽めのSF短編集かと思わせて、意外な仕掛けがこれでもかと詰め込まれているのも良い。おすすめ。
book

深見填, こどものためのドラッグ大全

子供向けの体ではあるが、基礎知識がない大人が読んでも勉強になる本だと思う。内容は存外にしっかりしており、トンデモ度は低い。身体依存、精神依存、中毒を正しく使い分けている点や、タバコやアルコールをドラッグとして扱っている点など、誠実さを感じる。
book

石原伸司, 歌舞伎町のシャブ女王 覚醒剤に堕ちたアスカの青春

夜回り組長こと石原伸司による、とある覚醒剤中毒者のドキュメンタリー。その半生は、週刊誌的な興味をそそるものであり、一気に読んでしまう。著者の手により見事更生していればきれいなストーリーだったのだが、そう簡単にいかないところに、薬物中毒の難しさを感じる。