マキャベリの名著である君主論の入門書だが、小学校をのクラスの覇権争いを題材にしているのが面白い。天下取りといっても、その実は小学校の勢力争いの延長ということだろう。
文章が軽めの上、短めのストーリーに区切られているのでサクサク読める。しかしながら、40人のクラスでの覇権争いを描く都合上、序盤から一気に多数の勢力が登場するので、公式サイトにある5年3組勢力図を手元に置きながら読むのがおすすめ。
また、覇権争いの合間に挿入される、ふくろう先生の解説が殺伐としていて実に良い。聞き手のはなこちゃんが毒を吐きまくるのも素敵。
「愚鈍な大衆は変化を嫌うのね」
「叩くべき相手はできるだけ少なく、そして叩くときは完膚無きまでに打ちのめすのが大切なのね」
「敵が内部分裂して、疑心暗鬼の中で互いに潰し合う様は心が躍るわ」
「私もこれまで通り、愚民どもには恐怖をもって当たることにします」
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