曽野綾子, 貧困の光景

海外邦人宣教者活動援助後援会 (JOMAS) を通じて アフリカへの支援活動を行なっている曽野氏が描くアフリカの貧困の現実。

今でこそアフリカの貧困問題は支援の不足と言うよりも政治体制の問題が大きいことが知られるようになってきたが (本書の多くを占めているのも、支援をいかに末端まで届けるかという苦労である) 、現場へ目を向けてみるとその実態はさらに複雑な問題が山積みであることがわかる。日本人とは根本的に異なる考え方をする人々、機能していない社会インフラ、公金の私物化の因習、根強い血縁文化、これらの悪循環を断ち切らない限り物事を解決できないことが分かっていながら、それでも一つづつ最善を尽くそうとする著者の姿に共感する。

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