マティアス・ビンズヴァンガー(著), 小山千早(訳), お金と幸福のおかしな関係

経済学者による幸福論。

カーネマンらによる幸福研究はセックスなどの行動が幸福感を向上させることを明らかとしたが、ブランチフラワーやオズワルドの調査では収入とセックスの頻度には関係がないことがわかっている。人を幸福にする他の行動も、収入とともに増えるどころかむしろ減っている。

ランク付けはさまざまな活動をステータス競争へ変え、内在的なモチベーションを殺し、その活動に関わる人々の幸福度を下げる。フィギュアスケート、学術研究などが代表例。

トレッドミルは経済成長の源泉でもあるが、同時に幸福を阻んでもいる。本書では、さまざまなトレッドミルごとに、それらから逃れる戦略も提案されている。聖人や世捨て人や狂人でもない限り、戦略的な行動なくしてトレッドミルから逃れることは難しいだろう。

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