バブルを引き起こす陶酔的熱病 (ユーフォリア/Euphoria) は繰り返し起こる現象であり、それから身を守るのは集団的狂気へ突っ走ることに共通する特徴の認識であるとと説く。それは具体的には、金融の天才の登場であったり、てこ (レバレッジ) の再発見であったり、何か新奇らしく見えるものであったりする。古典的なケースであるチューリップ狂やサウスシー・バブルでもこれらの特徴が見られる。
本書は徹頭徹尾、警告の書として書かれている。金融上の記憶は高々20年程度 (新しい世代の人が舞台に登場する期間だ) しか続かず、歴史を振り返っても定期的に陶酔的熱病が起こっている。それを規制や経済学の知識などで回避することが不可能である以上、警告の書により懐疑主義を植え付けるしかないという強い意思を感じる。
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