人類の生活を豊かにするイノベーションがどのような仕組みで起きるのかを豊富な事例を用いて解説する。前半はエネルギー、公衆衛生、輸送、食料といった生活を支える基礎的な分野のイノベーションの事例を取り上げ、後半はそれらの事例の共通項からイノベーションの本質を論じる。
イノベーションには “やってみて学習する” という泥臭い過程が欠かせず、コストや規制により繰り返しの実験が難しい分野でイノベーションが起きることはない。原子力発電がその代表例である。
イノベーションは都市 (特に自治都市) のイノベーションの生態系の中で発生する。イノベーションはアイディアとアイディアの出会いによって引き起こされる。他の業界で展開中だったアイディアを利用して困難が克服されることも多い。決してひとりの天才のひらめきがイノベーションを起こすのではない。イノベーションを起こしたとされる人物がいなくとも、他の人物によって同様のイノベーションが引き起こされたであろう事例は珍しくない。
知的財産権はイノベーションを阻害する。特許がイノベーションの促進に役立つという証拠も、特許で守られていない分野にイノベーションが少ないという証拠もない。イノベーションは自由から生まれる。

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