ルートポート, 会計が動かす世界の歴史 なぜ「文字」より先に「簿記」が生まれたのか
会計以外のお金全般の話題に逸れることが多いのは良いのだが、それらがことごとく表面的な内容にとどまっている。参考文献を見る限り、少数の啓蒙書だけを読んでそのまま引き写しているようなので、直接原典を読んだほうが良いだろう。また、限られた資料から思いつくままに簡単に断定してしまうところも多く、誠実さが感じられない。
村石利夫, 麻雀 段級審査
神保町某店にて入手。Amazonにページがない程度にはマイナーな本。さすがに浅見先生のリストには掲載されている。
戦術面では現代の視点からはあまり得るものがないが、麻雀の文化や歴史に関する知識を重視しているのが印象的。最近は麻雀の戦術書が大量に刊行されているが、文化としての麻雀を伝える本は少ない。現在の麻雀プロでこれらの麻雀文化に敬意を持っている人がどれだけいるだろうか。現在の日本プロ麻雀協会のプロ試験を見ても、細かな点数計算や一般教養はあれど、麻雀という文化に対する理解を問う問題はほとんどない。
芦辺拓, 地底獣国の殺人
タイトル通りの色物オカルトミステリだが、ロジックはきちんと本格ミステリしている。謎がこれでもかと詰め込まれたせいか、明かされたときのカタルシスに欠けるのがやや残念。
村上隆, 芸術闘争論
アートの世界のルールのお話。日本ではアートは個人の力で作り上げるものであり、お金をかけなくてもできるという神話があるが、最先端のアートはお金と切り離せない。本書はそうしたアートビジネスを扱っており、かなり生々しいお金の話も飛び出してくる。現代美術を鑑賞する方法 (コンテクスト) にも触れているので、アートのことはさっぱりという人にもおすすめできる。